FC2ブログ

大樹の下で

神話・古史・古伝・民間伝承に関わる、自由な空想を不定期に更新しています。

2018-11

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:--:--

次記事へ移動する «  | HOME |   | ENTRANCE |  » 前記事へ移動する

太陽神あれこれ

最近神話から足が遠のきすぎだったので、
今回は神話回帰の記事を(笑)

そこで、太陽神について考えてみることに。
季節的にはどんどん日が短くなっていく今日この頃なわけだが
まぁ、いいか(笑)

世界中の主たる神話で太陽神が登場しないものは無きに等しい。
ただ、ここのところ無作為に色々な神話を眺めていたせいで
少し引っかかるモノが出てきた。

一口に太陽神と言っても
どうやらいくつかに分類できるようだ。
それは、
1.天体としての太陽そのものを神とするもの
2.太陽の運行を象徴とするもの
3.太陽の輝きを象徴とするもの

例えば、
エジプト神話の”アテン”なら1番。
ギリシャ神話の”アポローン”や”ヒューペリオン”なら2番の属性が強い。
日本神話における太陽神”天照大神”、彼女は3の属性が強そうだ。

多神教において複数の太陽神が存在する場合、
よくよく見てみると、上記のいずれかに分かれるか、
複数の属性を併せ持つ場合が見て取れる。
太陽信仰を中心とする代表的神話は、
やはりエジプト神話だろうか。
エジプト神話における太陽神はおおよそ以下の通り
アテン、アトゥム、アメン、ケプリ、ホルス、ラー
これを、それぞれ分類してみると
アテンとラーは、①
ケプリとホルスは、②
アトゥムとアメンはそれぞれ、本来は別の意味を持ち
ラーとの習合によって太陽神に列せられる。
なぜか、③に属する神がいない。

同じく太陽信仰を中心に据える神話として
中南米神話ではどうだろうか?
中南米神話での太陽神は以下の通り
アステカ神話:ウィツィロポチトリ、ケツァルコアトル、トナティウ
マヤ神話:キニチ・カクモ、キニチ・アハウ、
インカ神話:インティ
トナティウとインティは、①
キニチ・カクモ、キニチ・アハウは、②
ウィツィロポチトリは、③
ケツァルコアトルは、太陽神とも言われるが
本来は別の意味を持つ

こうして見ると、太陽を信仰する民は、
太陽の輝きを重視していないように思える。

他の神話も見てみよう

地中海地域>
ギリシャ神話:アポローンとヒューペリオン、それにヘリオス、全てが②
ローマ神話:アポロとソル、両者とも②

エジプト以外のメソポタミア地域>
シュメール神話:ウトゥは、①
バビロニア神話:シャマシュも、①
ヒッタイト神話:エスタン/イスタヌ(アリンナの太陽女神)は、③
フルリ神話:へパト女神は、③
ペルシァ神話:アフラ・マズダーは、③

北欧地域>
北欧神話:ソール女神は、②
ケルト神話:ルーフは、③

東アジア地域>
日本神話:天照大神は、③
インド神話:スーリヤは、①、ミスラは、②、ヴィヴァスヴァットは、③
中国神話:義和は、①、火烏(かう)は、②

太陽を天体と捉え、その運行に意味を見いだすパターン②の太陽神が多い。
次に天体そのものを神格化するパターン①
太陽の光・輝きを象徴するパターン③には、意外にも女神が多い。

また、広義において、天空神を太陽神とするパターンも実は多い。
上記にあげた神々は、あきらかに太陽に関わると思えるものだが
シュメールの”アン”やアッカドの”アンシェル”
エジプトの”アメン”、インド神話の”ヴァルナ”、
フェニキアの”バアル”などは、太陽神とも呼ばれるが
本来は天空神の属性の方が強い。

さらに、複数地域で崇拝されるような場合、
ある地域では太陽神だが、別の地域では別の属性が強くなる神もいる。
②のパターンとした”ミスラ”はこの典型で
”ミスラ”の場合は太陽神の記述があるのに対し、
”ミトラ”(イラン神話)の場合は契約の神、
”マイトレーヤ(仏教:弥勒)”の場合は救済の神となる。

各神話を見比べてみると、各地域・各年代の民が
”太陽”をどのように見ていたのかがおぼろげながら浮かんでくる。

乾燥地域のように太陽が四六時中出るような地域
あるいは、熱帯雨林地域のようにその熱が強い地域においては、
輝きは強すぎてありがたみが無いのに対して
森林地帯や、白夜などがあるなど、
日照時間が限られる地域においては
輝きそのものを神格化している。

前者は力の象徴として、戦士になぞらえる場合があり男神となるのに対し、
後者は慈しみの象徴として、女神となっているように思える。

別の側面から見てみると、
鳥と関係が深いのも特徴である。
今、ちょうど長江文明の著作を読んでいるが
長江文明は最古と言われるメソポタミア文明よりも
約500~1000年も起源が古く、象徴とするのが鳥であるという。
とすれば、鳥と関連づけられている太陽神は
東アジア、それも日本に近い中国江南の地が出所かもしれない。

有翼円盤を象徴とする一部の太陽神や、
鳥として現される太陽神は、
メソポタミア地域の起源ではなく、
長江中・下流域から西へ伝播したものかもしれない。
スポンサーサイト

FC2 Blog Ranking 人気blogランキングへ ブログランキングくつろぐ にほんブログ村 歴史ブログ 神話・伝説へ

テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2007-11-02 23:21:35

次記事へ移動する «  | HOME |   | ENTRANCE |  » 前記事へ移動する

コメント

ありがとうございます

私のブログに訪問&コメント、そしてお返事ありがとうございます。

ワルキューレもオーロラとつながるんですね・・・。
面白いですね。

私ももう少し考えを深めていきたいと思います。
また寄らせていただきます。

いらっしゃいませ^^

インドのウシャス、ギリシャ・ローマのエオス、アウロラは
太陽神とするならば③で良いと思いますよ。

極光(オーロラ)の由来となるアウロラを考えると
夜空を照らす黎明の光の女神なので
太陽そのものの先導者として認識されている事を考えると
天体としての太陽①ではなく
太陽の運行に関わる②の性質が付随していますね。

また、彼れは星々とのつながりもあって
太陽の光というよりは闇を照らす光明を象徴していると考えます。
北欧神話においてはオーロラのことを
ワルキューレの黄金の鎧の輝きというそうです。
ワルキューレは死者を選別する戦乙女ですが
死という闇を照らす者達とも考えられますので
ウシャス・エオス・アウロラの3者と似た性質も持っていることになりますね。

はじめまして

太陽の女神について調べていて、こちらに辿りつきました。
①②③の分類興味深いです。私が追い求めているのは③の太陽の光・輝きそしてその恵みを女神とするもののようですね。
インドのウシャス、ギリシャのエオス、ローマのアウロラなど、曙の女神がいますが、これも③に含めてよいのでしょうか・・・。どう思われます?

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://taijyunoshitade.blog118.fc2.com/tb.php/19-8f2cdf85
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

TB No.5 : 太陽の女神

TB記事の書き出し・・・
この間、「曙の女神」という記事を書きましたが、その後調べ...

FC2Ad

RSS表示パーツ

ブログメニュー 

translate this blog into

サイト内全記事表示

過去の全記事一覧を表示

サイト内キーワード検索

アンケート実施中!

好きな神話のアンケート実施中です!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

  • 趣味占放談
  • 光のシェラザード
  • 縄文と古代文明を探求しよう!
  • トーキング・マイノリティ
  • 民族学伝承ひろいあげ辞典
  • 管理者ページ

このブログをリンクに追加する

ブックマーク

プロフィール

かし りょう

Author:かし りょう
神話・古代史に思いを馳せる。
と言うと格好良いですが、実際は、
”空想にはお金がかからない”
という事で。。。
つたない知識のオンパレード。


大樹の下で<別館>
~ネタほん図書館~


くつろぐマイプロフィール

にほんブログ村 トラコミュ 昔話、伝承、神話へ
昔話、伝承、神話
にほんブログ村 トラコミュ 歴史好き (ジャンル不問)へ
歴史好き (ジャンル不問)

月別アーカイブ

日本神話関連書籍

ギリシャ・ローマ神話関連書籍

中近東神話関連書籍

インド神話関連書籍

中国・朝鮮神話関連書籍

ケルト・北欧神話関連書籍

中南米神話関連書籍

アフリカ神話関連書籍

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。