FC2ブログ

大樹の下で

神話・古史・古伝・民間伝承に関わる、自由な空想を不定期に更新しています。

2018-11

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:--:--

次記事へ移動する «  | HOME |   | ENTRANCE |  » 前記事へ移動する

龍と蛇(3)~蛇の図象カドゥケウス

記事「龍と蛇(1)~きっかけと竜」
記事「龍と蛇(2)~蛇の図象ウロボロス」
に続いて記事「龍と蛇(3)~蛇の図象カドゥケウス」をお送りしましょう。

 ”カドゥケウス(Caduceus)”とは、
 ”2匹の絡み合う蛇”の図象である。
 別名は”ケーリュケイオン(Kerykeion)
 前者はラテン語、後者はギリシャ語である。
 この名前が現れるのは、ギリシャ神話である。

 持ち主は、”ヘルメス神
 ゼウスとマイアの子。
 オリュンポス十二神の一柱。
 旅人、泥棒、商業、羊飼いの守護神。
 能弁、体育技能、眠り、夢の神。
 また、アポローンの竪琴の発明者。
 神々(主にゼウス)の伝令役。
 誕生してすぐに、赤ん坊にもかかわらず
 アポローンの牛を50頭も盗みだし
 談判に来たアポローンに対し、
 シラを切るばかりか、
 アポローンの持つ牛の権利と黄金の杖を
 自身で制作した竪琴と交換するという
 譲歩を引き出してしまった。

この杖は、富の象徴であり、商業における交渉を司るようだ。
ヘルメス神は知恵者として知られるのだが、
もっぱら、正当なといった感じよりも、
抜け目のないずる賢さと言った感じである。
もっとも、根は良いようで、義賊的な面が強い。
いずれにせよ、物事を好転させる機転のある人と言うことか。
この杖が商業の象徴、商人の知恵の象徴と言える。

ところで、ギリシャ神話には、もう1本蛇の巻き付く杖が登場する。
 それが”アスクレピオス(Asklepios)の杖
 これはギリシャ語名。
 ラテン語名は”アイスクラピウス(Aesculapius)

 持ち主は、アスクレピオス神
 アポロンとコロニスの子。
 医術、医神の神。

 この神様、カラスの虚言によって
 母の胎内にいるうちに、
 父であるアポローンに母もろとも殺される所だった。
 母は助けることができなかったが
 父は胎児である彼をなんとか救いだし
 ケンタウロスの賢者”ケイローン”に養育を任せる。
 そこで医術の才を開花させた彼は
 長じて、死者をも蘇らせるにいたるが
 冥王ハデスにより、生死の理を乱す者と
 ゼウスに抗議され、
 その訴えをもっともとしたゼウスにより
 撃ち殺される。

この杖は、医術の象徴である。
前述の”ケーリュケイオンの杖”と混同されるが
”アスクレピオスの杖”の蛇は1匹
”ケーリュケイオンの杖”の蛇は2匹で別物とされる。
ただし、使用目的は違うとはいえ
両方とも広義では、知恵を象徴とする事に変わりがない。

そこで、下の図を見ていただこう
 :参考:
 
集英社刊
 「古代メソポタミアの神々」
 ~世界最古の「王と神の饗宴」~


 これは、古代メソポタミア
 シュメールのラガシュ市の王
 ”グデア(在位BC2143年~BC2124年)”
 自身の個人神である
 ”ニンギシュジダ神”に奉献した鉢に
 浮き彫りされている図象である。
 
 中央に”カドゥケウス”の図象がある。
 その両側の2体の四つ足の合成獣は
 聖獣”ムシュフシュ”である。

この”ニンギシュジダ神”は、
豊穣・復活、冥界の神であり、占卜、除魔、治療・医薬の神なのだ。

そして、前出のギリシャ神話に登場する2本の杖の源流はこれである。
ヘルメス神は、案内人としても有名で
死した英雄を冥界に案内するような役割を持っている為
冥界の神とも言われるのである。
また、豊穣の意味する一部が、商業牧畜に基づく富である。
アスクレピオス神医術・医薬の神であるから
彼も、この図象の表わすものと一致する。

シュメールからギリシャへと伝わったこの”2匹の蛇”の図象だが、
他の神話世界には、どういうわけかはっきりとは伝わっていない。

同じ古代メソポタミア地域ののエジプト神話でも
2匹の蛇は見られるが、絡みついた形ではない。
エジプトの神話には、多くの蛇神がいるのだが
このような形で表現されることがない。
何故だろうか?
エジプトにおける復活と再生の象徴は
あくまでも、太陽だったからと言うことだろうか?


また、インドや東南アジアでも蛇神の信仰は古くからあるにも関わらず
この図象らしいものは見られない。(似ているといえなくもないものはあるが)
どちらかと言えば、ギリシャ神話の多頭蛇ヒュドラ(ヒドラ)に近いものが
ナーガ(蛇というより、竜神と言われるが)として登場する。
日本の”八岐大蛇(やまたのおろち)”も多頭蛇だ。
エジプト同様に、”知恵や生命の象徴”が別のものだったからだろうか?
もっとも、密教における”クンダリーニ(炎の蛇)”は
知と生命の象徴とも捉えることができるのだが、
決して、2匹が絡み合ってはいない。

私個人としては、この絡みつく”2匹の蛇”の本質が、
生命の象徴(復活と再生、医術・医薬)”及び”知恵の象徴”であるという事柄から
この図象に似たあるものを、私はどうしても思い浮かべてしまう。

デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid)”即ち、”DNA”である。
絡みつく2匹の蛇”は、つまり”二重らせん”の図象だからだ。
シュメールの民が図象化した生命の復活と再生の象徴・知恵の象徴が
何故、DNAの二重らせんと合致するのか?

この二重らせん構造は、自然界にそうそうあるものでは無いはずだ。
蔓草が絡みつく様、縄をなう様、似たようなものは、確かにあるが
生命の復活と再生、及び、知恵にダイレクトには結びつかない。

シュメールの民は、DNAの存在を知っていたのだろうか?
やっと、このサイトらしくなってきたような気が(苦笑)。

次回はどうしようか・・・・・。
スポンサーサイト

FC2 Blog Ranking 人気blogランキングへ ブログランキングくつろぐ にほんブログ村 歴史ブログ 神話・伝説へ

テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2007-11-05 22:40:40

次記事へ移動する «  | HOME |   | ENTRANCE |  » 前記事へ移動する

コメント

トート神

凶樹さん、いらっしゃいませ!(笑)

ヘルメス・トリスメギストスと来ましたか(苦笑)。
さすがに知ってますねぇ。
カドゥケウスの記事内で、最後まで触れようかどうしようか迷ったんですよ(爆)。
ヘルメス・トリスメギストスの誕生は
エジプト神話のトート神とギリシャ神話のヘルメス神との習合の結果ですよね。
ただ、トート神自体には、カドゥケウスのデザインが見つけられなくて・・・・。
なので、今回は割愛しました。
一言は一応いれましたけどねぇ(爆)。

錬金術については、
東洋錬金術と西洋錬金術の対比として
いずれ取り扱ってみたいですね。
神話というよりは、民間伝承のようなところで
大いに関わりが出てくると思います。

ヘルメス・トリスメギストス

こんばんはです♪
ウロボロス!
そしてカドゥケウスが、出てきてしまいましたか・・・。
錬金術の話で申し訳なんですけど。
もしかすると、何かのヒント(←何の?)になるやもしれんので、書いちゃいます。
古代エジプトはアレクサンドリアがルーツといわれる錬金術、その後はビザンティンはコンスタンティノープル、そして7世紀頃のイスラム教の隆盛、そこに(かなり妄想ですが)シルクロード経由?の中国:不老不死の霊薬・・・。
このアタリをほじくると、蛇に関する空想が果てしなく広がってしまいますね。
後々、グノーシス主義が出てくると、少し新しくなってしまうかな。
とりとめもなく、すいません。
竜じゃない方向へ行ってしまった(笑)

ありゃま

クンダリーニは、二匹でしたっけか?こりゃ、次回訂正しないといけませんね。
ニンギシュジダ神は、占卜も司りますからねぇ。
玄武は、ウロボロスの変形ですかねぇ。
亀について考えないといけないなぁ
こちらも、妄想モードに突入してきました!

蛇と龍とDNA。。。滴涎(笑)

かしりょうさん、こんばんは!

 クンダリーニはピンガラー・ナーディとイダー・ナーディが絡み合って背骨に相当するスシュムナー管を昇って行くので、まさにカドケウスの杖だと思いますけど。。。^^;
 二匹の蛇がちょうどクロスするところは、日本で言うと下丹田、中丹田、上丹田に相当します。実際クンダリーニヨーガで、このカドケウスの杖と同じものを観相する事があるんですよ。
 ニンギシュジダ神の図は始めて拝見しましたけど、クロスしているところが七つで、これってチャクラに相当するんじゃないでしょうね。。。(興味津々)

 でもDNAに結びつける説もかなり面白そうですね。。。最近はDNAの配列を易卦に結びつける研究をしている人もいますし、この辺り私的には占卜につながると嬉しいかな(笑)

 ちなみに易の原点は河図と洛書といわれますが、こちらも龍馬図、亀書とも言われます。亀書の亀は玄武とすれば蛇の絡みついた亀ですし。。。って、強引に東洋占術の方向へ引っ張っていますけど、かしりょうさんの妄想、楽しみにしています。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://taijyunoshitade.blog118.fc2.com/tb.php/22-773eb613
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

RSS表示パーツ

ブログメニュー 

translate this blog into

サイト内全記事表示

過去の全記事一覧を表示

サイト内キーワード検索

アンケート実施中!

好きな神話のアンケート実施中です!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

  • 趣味占放談
  • 光のシェラザード
  • 縄文と古代文明を探求しよう!
  • トーキング・マイノリティ
  • 民族学伝承ひろいあげ辞典
  • 管理者ページ

このブログをリンクに追加する

ブックマーク

プロフィール

かし りょう

Author:かし りょう
神話・古代史に思いを馳せる。
と言うと格好良いですが、実際は、
”空想にはお金がかからない”
という事で。。。
つたない知識のオンパレード。


大樹の下で<別館>
~ネタほん図書館~


くつろぐマイプロフィール

にほんブログ村 トラコミュ 昔話、伝承、神話へ
昔話、伝承、神話
にほんブログ村 トラコミュ 歴史好き (ジャンル不問)へ
歴史好き (ジャンル不問)

月別アーカイブ

日本神話関連書籍

ギリシャ・ローマ神話関連書籍

中近東神話関連書籍

インド神話関連書籍

中国・朝鮮神話関連書籍

ケルト・北欧神話関連書籍

中南米神話関連書籍

アフリカ神話関連書籍

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。