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大樹の下で

神話・古史・古伝・民間伝承に関わる、自由な空想を不定期に更新しています。

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巨人考~先史バイキング型海洋民

今回は、頭の中で整理中のケルト・北欧神話のお話。
ケルト神話北欧神話には、巨人族というのがいる。
もちろん、ギリシャ・ローマ神話なんかにも巨人はいるし、
他の神話でもお馴染みの異種族あるいはモンスターなのだが、
ケルト神話や北欧神話の巨人族というのは、
独特の特徴が見てとれる。

それは、海と霧(あるいは霜)

結論から言うと、
この神話で語られる巨人族というのは、
神話を語り継いだ民族より前に彼らが定住支配した地域に先住していた
他の民族ではないかと思う。

北欧地域というのは、
調べてみると古代の事がはっきりしていない。
アイスランドなどには、
12000年前くらいから、
人が住んでいたらしいが、
どのような民族であったのか、
いまひとつはっきりしないのだ。

北欧が世界史に名を馳せるのは、
大航海時代前後のバイキング時代になろうか。
日本風に言えば、海賊だ。
さて、このバイキング達。
海賊とはいえ、きちんと定住地を持ち、
半分は農業を営み、長い冬などの前になると
冬支度を兼ねて海を遠征して、
裕福そうな町や村を襲って、
冬ごもりの蓄えを補充するといった感じ。
大抵は、物資などを奪うだけで、
非戦闘民には手出しをしなかったようだ。

まぁ、組織化された集団の中には
悪逆非道な輩もいたようだが・・・。

彼らは戦士の誇りを大切にしていたようで、
武器を持たぬものは殺さない。
女子供を殺さない。
女をさらう場合でも、1日以上監禁してはならない。
などといった、
鉄の掟があったそうだ。

話を戻そう

神話に登場する巨人族は
このバイキングと共通する面を多分に持っている。
ケルト神話のフォモール族などは、
エリン(アイルランドの古名)の支配者と言われているが
アイルランド本島に居を構えていたのではなく
度々海から来襲しては、
島の民族から貢ぎ物を受け取っていたふしがある。
本島付近の岩礁などに、
アジトがいくつもあったような表現も見て取れる。
これって、まさしくバイキング(海賊)だと思うわけだ。

北欧神話における巨人族も海の向こうからやってくると
ラグナロクなどでは語られる。
また、世界創世の大元がミーミルという巨人を倒す事から始まる。
この巨人には一族があり、
これがオーディンなどの北欧神話の神々とは
系譜を異にするもう一つの神々の一族。
ロキはこの巨人族との混血だったりする。

ケルト神話のフォモール族は霧とともに現れる。
北欧神話の巨人族は霜の巨人族と言われる。
そして、両者ともに海を越えてやってくるのだ。

これを、海賊衆と考えてみる。

海賊ならば、当然海からやってくる。
では、霧や霜はなんだろうか?
これは、朝という時間ではないかと思う。
彼らが、やってくるのが、
夜明けだったのではなかろうか。
つまり、北欧の海は海水温と大気温度の差により
朝方に霧や靄が発生しやすい。
その間隙ををぬって、奇襲するのが常套手段だったのではないか?
そして、朝におりるのが霜だ。
霧や朝靄にまぎれて来襲し、
霜を踏みしめて現れる彼らの姿が
朝日により、霧のスクリーンに影を落としたなら
それは、まぎれもなく巨大な影となったのではないかと
創造するわけである。

ケルト神話のフォモールも
北欧の巨人も
実は、このような海賊稼業を兼任する海洋民族の事ではないかと
考えるのである。
さらに言えば、この両者。
実はお互いのことを、
同じように表現してしまったのではないかと思うのだ。
ケルト側にとっては、ゲルマン系バイキングの祖先がフォモール。
北欧側にとっては、ケルト系海洋民が巨人族というわけだ。

実は、この二つの神話を繋ぐ重要な神話がある。

それが、フィンランド神話だ。

フィンランドはまぎれもなく北欧諸国のひとつだが
彼らは、アングロサクソン、ゲルマンの系譜ではない。
その言語が明らかに違うのだ。
面白い事に、フィンランド神話においても
巨人は海から霧を伴って現れる。

つまり、巨人と言われているのは、
北欧地域やアイルランドやブリテン、それぞれに移住定住してきた
大陸狩猟民あるいは農耕民から見た
海から略奪に現れる
北方海洋民全てであった可能性が高い。

余談だが、
ケルトのフォモール以前のエリンの支配民族を
フィル・ボルグ族というのだが、
フィンランドの語源となったバルト・フィン族と
響きが似ているのは気のせいだろうか(笑)。

今、フィンランド叙事詩を読んでいる。
「カレワラ」という世界3大叙事詩にも数えられる事のある
50章に及ぶ一大叙事詩だ。

近々、大樹の下で<別館>でお目にかけたいと思っているので
しばし、お待ちを(爆)。
そんなものがあるなら、早く教えろ!
と言う方がもしいるならば、
大樹の下で<別館>~ネタほん図書館~
をちょっと紹介。
と言っても、制作中なので内容は全然なのだが(爆)。
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テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2007-12-07 22:47:39

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コメント

伝説にはそうなる為の元が(笑)

やわたうまさん、いらっしゃいませ(笑)。

今回の霧に投影された巨大な影が巨人の正体という考え方には結構自信があったりします(笑)。
話に尾ひれがついて、伝説化していくわけですから
その大元は、やはり実際に目にしたものであると思うのです。

ヨーロッパの北方地域に人が住んでいる事は
ギリシャ・ローマ神話成立時には、すでに知られていたようですし
それが、フィン族と言われる人々だったことも記述があるようです。(フェンニ人だったかな?)

この人々、フィンランド神話の創世神話の部分を読んだ感想から言うと、
前にやわたうまさんが書いてくださった
鮭を追う人々とルーツを同じくするように感じます。
つまり、メソ・アメリカの民族です。
マヤの叙事詩ポポル・ブフの創世神話の部分なんて
ある意味全く同じなんです。
フィンランド叙事詩を読んでいると、
いかに彼らが海と魚を重要視しているかが如実にわかります。
また、彼らが女尊の思想を根底に持っていることも伺えます。

別館に関しては、気まぐれに作り始めたのですが、
最初の作品に「カレワラ」を選んでしまって、大変な事になってしまいました(苦笑)。
次の紹介書籍は「山海経」にしようと思っているのですが
いつになることやら(苦笑)。
他にも、上記した「ポポル・ブフ」なんかも紹介したいですね。
私自身、読むのがしんどいと思った書籍の整理の為に始めたんですよ(爆)。

根が凝り性なので自分で自分の首を絞めてますね(爆)。

リンクありがとうございます。
別館の方でも第一号のリンクにさせていただきます。

盲点!(笑)

かしりょうさん、こんばんは。

 霧に投影された姿が巨人伝説のルーツとな。。。思いも付きませんでした。。。勉強不足が露呈しますが^^;
 でも、なるほど~という感じですね。。。

 聖書のネフェリムや中国の盤古大人など、あまりにも巨大すぎるので、古代人の憧憬ないしは畏怖のような空想かとも思ったり。。。
 でも多分、巨人など存在しないと知っていたはずなのに、このような神話が生まれた点とか、、、そのような事を考えると、とても興味の尽きないテーマでしたが。。。

 けど別館まで準備中とは。。。早速リンク貼らせて頂きます(笑)

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Author:かし りょう
神話・古代史に思いを馳せる。
と言うと格好良いですが、実際は、
”空想にはお金がかからない”
という事で。。。
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