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大樹の下で

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北欧神話のトリックスター”ロキ”から見える巨人族~海上支配権の確立~

北欧シリーズをまだ続けましょう!(笑)
今回は、北欧神話に登場するロキ(Loki)
と言っても彼そのものではなく、
このトリックスターの存在から読み解く北欧の巨人族のお話。

さて、記事「巨人考~先史バイキング型海洋民」
記事「オーディンの愛馬スレイプニルの正体は?!」
と二つの記事において、
巨人=先史バイキング型海洋民
スレイプニル=先史時代のバイキング船の元型
といった風に、視点を海に据えた空想を構成してきた。

その中心には、ロキ(Loki)というトラブルメーカーにして、
トリックスターである神が欠かせない。
彼は神々の敵対者である巨人族アース神族との混血神

北欧神話における巨人族は大きく5種族が存在する。
ヴァン神族霜の巨人炎の巨人氷の巨人山の巨人である。
山の巨人を除く4種はそれぞれ国を持っている。
ヴァン神族>ヴァナヘイム
霜の巨人>ヨトゥンヘイム
炎の巨人>ムスペルヘイム
氷の巨人>ニヴルヘイム

このうち、神々の敵対者と言われ、
世界の終わり”ラグナロク”まで
徹底してオーディン率いるアース神族
戦いを仕掛けるのが、霜の巨人族である。
そして、ロキはこの霜の巨人族の血を引いている。

前出引用した記事「巨人考~先史バイキング型海洋民」
における巨人も中心はこの種族の事だ。
当該記事内にて明確に区別をしていなかったので
私の私見による区分けをここで記しておこうと思う。

ヴァン神族>ゲルマン移住前のスカンジナビア地方の土着農耕民。
霜の巨人>ゲルマン移住前のバルト海沿岸に住まう海洋民。
炎の巨人>アイスランド土着民。
氷の巨人、山の巨人>フィンランド地方の土着民。

もう少し、説明が必要だろうか。
私は、ヴァン神族をケルト系民族だと思っている。
ケルトには現在ケルト神話の中心を成す”島のケルト”の他に
大陸のケルト”が存在した。
彼らが、ゲルマン系民族としばしば抗争していたのは間違いない。
オーディン率いるアース神族ゲルマン起源とするなら
当時、同じくヨーロッパで隆盛していたケルト系が神の一派にふさわしい。

霜の巨人族は、バルト海沿岸部を支配していた海賊達。
先史バイキング型の民族で、ケルトやゲルマンよりもさらに古い民族だと思う。
日本風に言えば、縄文型の漁労採取民

炎の巨人族は、
火山島でもあるアイスランド土着の縄文型狩猟採取民
一部は漁労採取民でもあっただろう。
彼らは、巨石文明の一端を担っていたふしがある。

氷の巨人族及び山の巨人族は、
現フィンランド共和国の土着民であった
フィン人あるいはラップ人ではないだろうか。
フィンランドの神話は北欧神話とあきらかに系譜が異なり
さらに、フィン人とラップ人も仲が良かったとはけして言えない。
氷と山の区別は付きにくいが、
おそらく、氷がラップ人、山がフィン人だと思う。

つまるところ、ゲルマンの大移動以前に北欧地域に定住していた
政治的な統一国家を持たない部族単位の各民族
(血族、あるいは、生活形態上の区分けによる一族)
全てが、ゲルマン側から見た巨人族だと思っているのだ。

記事「オーディンの愛馬スレイプニルの正体は?!」
において、オーディンという神々の王を船上の王だとした。
今回の記事において私が示した区分の巨人族と
戦いを繰り広げるとするなら、
その戦場は大陸本土ばかりではなく、
当然海上の支配権争い無しには考えられない。
宿敵たる霜の巨人族が海から襲ってくるのだから
居住地に被害を出さない為には
海上で迎え撃つか、こちらから船団にしかけるのが上策だろう。

ここまで書いてくると、
なぜロキという混血神が必要だったのかが良くわかる。

悪戯好きで、トラブルを引き起こすロキを
オーディン達が手放せなかった理由が垣間見える。

ゲルマン系であるアース神族は、
陸上戦においては一日の長を持っていただろうが
海上戦においては、ほぼ無力だっただろう。

そこに、海の知恵・知識のある霜の巨人族出身であり
ゲルマンの血を引くロキの存在は、ことのほか重要になってくる。
彼は、海上における戦いに勝利するための
オーディンの参謀だったのではないだろうか。

ゲルマン系のアース神族が海上支配権において必要な人材を
他の巨人族から参集していたことは
ヴァン神族から来た3神にも見て取れる。

3神の筆頭であるニヨルドは明らかに海神だ。
それも、港や海上貿易のスペシャリストであった可能性が高い。
彼はスウェーデンの初代国王とされている。
また、彼の双子の兄妹である2神もまた海と繋がりがある。

兄であるフレイの方は、はっきりした繋がりが薄いが
彼の所有物にスキールブラズニルという魔法の帆船があるのだから
やはり、航海術などには秀でていたと思われる。
海戦用の船はおそらくオール船(漕ぎ手が複数いる船)であろうから、
帆船を持つと言うことは、父の手助けをして各民族間の使者として
海上や河川を行き来したとも考えられる。
美しいとされる容貌は使者には必須である。

スレイプニルの話しでも登場する妹フレイヤ
別名をマルドル(Mardöll)と言い、海の守護神という意味だそうだ。
象徴するものは、豊饒戦い、そして魔法
これらは考えようによっては全て
海戦における勝利を祈願する巫女の姿にふさわしい。

これら3神は大陸のケルト島のケルトの間に立つ
重要な人材であったと思われる。
即ち、霜の巨人族との戦いにおいて必要となる
海上兵力の援軍になりうる勢力代表なのだ。

ロキヴァン神族の3神(ニヨルド、フレイ、フレイヤ)
アース神族、つまりゲルマン系民族が
北欧に地位を確立するために必要不可欠な
海上の支配権確立の為に招かれた重要な人材であったと思われる。
巨人族と総称される北海を知る先住異民族の知識を
彼らアース神族にもたらす役割を担った神々と言うことだろう。
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テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2007-12-15 13:25:45

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