FC2ブログ

大樹の下で

神話・古史・古伝・民間伝承に関わる、自由な空想を不定期に更新しています。

2018-11

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:--:--

次記事へ移動する «  | HOME |   | ENTRANCE |  » 前記事へ移動する

酒は飲んでも飲まれるな!(笑)~神と酒(4)

記事:酒は飲んでも飲まれるな!(笑)~神と酒(3)の続きです。

と、その前に、

皆様!新年明けましておめでとうございます!

さぁ、ご挨拶も済みましたし、
年越しで取り扱う”神と酒”のシリーズを再開しましょう。

シリーズ(1)では、世界の酒神の簡単な紹介と最古の酒造について触れ、
シリーズ(2)では、日本に絞り、日本三大酒神と呼ばれる3つの神社の紹介を、
シリーズ(3)では、酒蔵で信仰される”松尾様”について触れました。

今回は、もう少し、酒蔵に関するお話を続けさせていただきます。
まずは、下の写真を、
酒林 酒林
<英君酒造株式会社/Copyright©2003-2007 Yuusuke Mochizuki All rights reserved>

これは、”酒林(さかばやし)”、あるいは、
”杉玉(すぎたま)”と呼ばれるものです。
現在は、日本酒の造り酒屋のPR看板の役を担うシンボルとして
広く知られているモノですが、
本来は、”酒の神様に感謝を捧げるもの”だったようです。
その起源は、”日本三大酒神”のひとつ
大神(おおみわ)神社の神木である杉に端を発っしています。
現在でも、11月14日に”醸造安全祈願祭(酒まつり)”が執り行われる
”大神神社”では、”志るしの杉玉”と称して、
三輪明神の御神霊の象徴として、酒蔵に”杉玉”をお配りしているようです。
この”志るしの杉玉”には、
大神神社から手紙が添えられているそうで、詳しくは、
<”とうこの ほろ酔いブログ”/記事:杉玉と女房。。。。(2007/11/30)>
をご参照ください。

このブログ中々面白そうです。酒蔵のおかみさんのブログなので、
お酒好きの方は覗きに行くと楽しいかも知れません。
”とうこの ほろ酔いブログ”(元坂酒造のおかみさん、とうこさんのブログ)
元坂酒造/〒 519-2422三重県多気郡大台町柳原346-2)
結構、可愛らしいおかみさんです(笑)。
茶目っ気がありそうで、管理人的にはタイプです(爆)。

横道にそれましたが、”神と酒”に戻りましょう(苦笑)。
ここまで、シリーズ(2)/シリーズ(3)で見てきたように、
現在信仰される”酒の神様”というのは
だいぶごちゃ混ぜになっている感がいなめませんね(苦笑)。
しかし、注意深く見ていると、おぼろげながら、
それぞれの神様に違いのあることがわかります。

それは、酒の持つ色々な側面に通じています。

古事記や日本書紀などに見られる神々の系譜から考えると
日本に醸造の基本的技術である発酵を
れっきとした技術としてもたらしたのは、
”少彦名神(すくなひこなのかみ)”であるようです。
この神様は別名の”久斯之神(くすのかみ)”でもわかるように、
”薬(くす)”、および、”醸(かもす)”を象徴する神様で、
お酒を”医薬品”として持ち込んだ、あるいは、
”医薬品として利用した”ように思います。
また、神酒を”みき”と読むことができるのですが、
”みき”の古語は”みわ”と言ったという話しもあります。
大神(おおみわ)/三輪(みわ)の”みわ”も、
神酒の事だったのかもしれません。
”大物主神(おおものぬしのかみ)”が蛇神である事も考え合わせると
(記事:龍と蛇(3)~蛇の図象カドゥケウス)参照>
<大神神社>は、医薬の神様であり、お酒の中でも、
”薬酒(やくしゅ/くすりざけ)”の神様である可能性が高いようです。

さらに、大神神社の神職を務めた”大神(おおみわ)氏”即ち、”三輪氏”は、
素戔嗚尊から始まる出雲国津神系氏族で、
”大物主神(おおものぬしのかみ)”と同一視される
”大国主神(おおくにぬしのかみ)”の末裔とされるので、
日本に早くから土着した民族の末裔であり、
日本の信仰の原点である神道を継承する由緒正しき氏族なのです。
素戔嗚尊や大国主神は、謎の多い神様ではありますが、
かなり古い時代に日本に渡来した大陸民であることは
ほぼ間違いないと思われます。
つまり、お酒自体は、かなり古い時代(神代)に
すでに伝来していたことがわかります。

では、大神神社以外の
梅宮大社松尾大社の神様達はどうなるでしょう?

まず”梅宮大社””大山祗神(おおやまずみのかみ)”ですが、
本来は”山の神様”であり、醸造の技術とは直接的な関係がありません。
この神様が、”お酒の神様”となった理由は、
”木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)”
天孫である”瓊ヶ杵尊(ににぎのみこと)”の結婚により
子神(大山祗神の孫神)”彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)”
お生まれになった事を祝して、
”アメノタムケ酒”(おそらく天手向酒)を造り、
天地の神々に振る舞ったという話しが大元で、
この神様が”始めてお酒を造った”というわけではないのです。
なぜならば、”大国主神”が国作りを始めた頃に
”少彦名神”がすでに酒の醸造をしています。
天孫である”瓊ヶ杵尊”は、
”大国主神”が創り上げた国を譲られるのですから
時間軸を考えるならば”少彦名神”がもたらした技術を使って
お酒を造った事になります。
ただし、ここにひとつの可能性がないわけではありません。
それは、”醸造技術の革新をしているかもしれない”ということです。

現在でも、神社で振る舞われる神酒というものは
多くの場合、いわゆる”濁り酒(にごりざけ)”です。
皇室行事でもある五穀豊穣を祈願する
”新嘗祭(にいなめのまつり、にいなめさい、しんじょうさい)”
においても、”白酒(しろき)””黒酒(くろき)”と呼ばれる
白濁したお酒と黒い色をつけたお酒が使われます。
このお酒は、元を正せば、白米、黒米を原料に造られたお酒
濾過されているとはいえ、原料をアルコール発酵させた状態から
液体部分だけを取り出したもので濁りが残っているのです。
つまり、現在の”無色透明な日本酒”ではないと言うことです。

もしも、”大山祗神”の造った”アメノタムケ酒”が、
現在ほどではないにせよ、より複雑で高度な技術を要する
現在の日本酒に近いものであったならば、
これは、神代において”革新的な技術変革”となったに違いありません。
しかし、これを裏付けるような事例は出てきません。

梅宮大社の創建に関わる”橘(たちばな)氏”は、
第30代”敏達天皇(びたつてんのう)”の後裔にあたる皇族の流れを汲む一族。
とするならば、天孫”瓊ヶ杵尊(ににぎのみこと)”の末裔なわけですから
”瓊ヶ杵尊(ににぎのみこと)”と、
その子供”彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)”
お祀りするのはわかるのですが、
そもそも、この神社の創建に関わったのは
”県犬養三千代(あがたいぬかいみちよ)”という女性で
この方が”橘(たちばな)姓”を賜っている。
”県犬養(あがたいぬかい)氏”というのは、
上古からの古い氏族には違いないのですが、
”大山祗神(おおやまずみのかみ)”の末裔であるかどうかはっきりしません。
また、その娘である”木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)”は、
”富士浅間神社”の御祭神であり、
縄文期から信仰のあった地方の大神なのです。

いずれにせよ、梅宮大社の御祭神の方々が
直接醸造に関わる形跡は甚だ乏しいです。
”山の神”の系譜と言える
古き神々である”大山祗神(おおやまずみのかみ)”
”木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)”
酒と関連づけられたのは、
酒の醸造に欠かせない新鮮な水との関連が考えられます。
また、その水が田畑を潤し、五穀豊穣をもたらす事から
原料である”米”とも繋がる事にもなります。
前出した出産祝賀の振る舞い酒の話と、
農業神、水神としての性格が”酒の神”という
側面を作り出したということではないでしょうか。

最後にいよいよ松尾大社です。
御祭神”大山咋神(おおやまぐいのかみ)”は、
上古の時代つまり縄文期からこの地方一帯で信仰された
”山の神”なのです。
この点では、梅宮大社”大山祗神(おおやまずみのかみ)”
”木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)”同様に
直接の酒造との関連はありません。
ですが、ここに、”秦(はた)氏”という
渡来氏族が関わってきます。

この”秦(はた)氏”という氏族は、
かなりのまとまった人数で、百済(くだら)あるいは新羅(しらぎ)から
5、6世紀の頃、朝廷の招きによって日本に渡来し、
秦の始皇帝の末裔を名乗った事から
”秦(はた)氏”と呼ばれるという事なのですが、
実際の所、正体が判然としません。
はっきりしていることは、かなりの職人集団であると言うことです。
松尾大社の元々の定住民となんらかの関係があったのか
同族であると称し、松尾大社を尊崇したというのです。
この松尾山近辺に入った”秦氏”は、”酒の醸造に秀でていた”らしく、
第21代”雄略天皇”の時代に周辺の同一氏族の長の名に
”秦酒公(はたのさけのきみ)”という名も見られるので、
このあたりから、彼らが祀った”大山咋神(おおやまぐいのかみ)”
”酒神”の性格を持ったと言うことのようです。
もしも、”醸造技術の革新を成す”とするならば、
彼らの方が現実味があります。
もう1柱の女神”中津島姫命(なかつしまひめのみこと)”については
本来、福岡県の宗像地方の海上守護の海神なのですが、
新羅(しらぎ)との関係が色濃く、
また、父神である素戔嗚尊も海神であり、
新羅と関係することから、”秦氏”との関連が認められます。

ふ~、やっと一通りの紹介が終わりました(笑)。
ですが、ここで終わらせるわけにはいきません(爆)。
ここまでは、単なる整理と検証にすぎないのです。

これからが、やっと本番です。
と言いたいのですが、かなり長くなりましたので、
次回にまわさせていただきます(笑)。
スポンサーサイト

FC2 Blog Ranking 人気blogランキングへ ブログランキングくつろぐ にほんブログ村 歴史ブログ 神話・伝説へ

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

2008-01-01 16:57:03

次記事へ移動する «  | HOME |   | ENTRANCE |  » 前記事へ移動する

コメント

借り物ですので(苦笑)

とーこさん、いらっしゃいませ!(笑)。

不躾にご訪問いたしまして恐縮しております。
大神神社から送られてくる添え状の文面のようなものは、
実際に酒造りをしている現場の方でなければ知り得ない事ですので
大変、参考になりました。

私の知識は、謂わば借り物ではございますが
この後しばらくは、お酒と神様を題材に記事を書きますので、
ご興味があれば、こっそり覗きにいらしてくださいませ(笑)。

恐縮しております。

はじめまして・・・
杉玉のこと、ご参考になりましたでしょうか?
こんな見識の高いブログに、拙ブログのご紹介までして頂きまして
有難うございました。

取り急ぎ、お礼までにて。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://taijyunoshitade.blog118.fc2.com/tb.php/38-7df5298f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

RSS表示パーツ

ブログメニュー 

translate this blog into

サイト内全記事表示

過去の全記事一覧を表示

サイト内キーワード検索

アンケート実施中!

好きな神話のアンケート実施中です!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

  • 趣味占放談
  • 光のシェラザード
  • 縄文と古代文明を探求しよう!
  • トーキング・マイノリティ
  • 民族学伝承ひろいあげ辞典
  • 管理者ページ

このブログをリンクに追加する

ブックマーク

プロフィール

かし りょう

Author:かし りょう
神話・古代史に思いを馳せる。
と言うと格好良いですが、実際は、
”空想にはお金がかからない”
という事で。。。
つたない知識のオンパレード。


大樹の下で<別館>
~ネタほん図書館~


くつろぐマイプロフィール

にほんブログ村 トラコミュ 昔話、伝承、神話へ
昔話、伝承、神話
にほんブログ村 トラコミュ 歴史好き (ジャンル不問)へ
歴史好き (ジャンル不問)

月別アーカイブ

日本神話関連書籍

ギリシャ・ローマ神話関連書籍

中近東神話関連書籍

インド神話関連書籍

中国・朝鮮神話関連書籍

ケルト・北欧神話関連書籍

中南米神話関連書籍

アフリカ神話関連書籍

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。