紹介!アフリカ神話(1)〜ヨルバ族編
「アフリカ神話」 ジェフリー・パリンダー著作
上記の著作の中から、
紹介!アフリカ神話(1)では
ナイジェリア南西部及び、ベニン東部に広がる
通称”ヨルバランド”に住む”ヨルバ族”の神話を紹介しましょう。
アフリカの諸部族の中でも大きな部族で、
1千200万人〜2千万人ほどの人数がいるそうです。
部族の歴史も古く、その神話は体系化されているようです。
<<創世神話(大地の創造と人の創造>>
はじめ、世界はずぶずぶの水浸しの荒れた土地と空しかなかった。
空には、その所有者である至高神”オロルン”とその他の神々が住んでいた。
神々はずぶずぶの荒れ地で遊ぼうと”蜘蛛(くも)の糸”を伝って降りてきた。
固い地面が無かったので、まだ人間はいなかった。
そこである日、絶対神”オロルン”は
神々の首長の大神”オリシャ・ンラ”に固い地面の創造を依頼した。
大神”オリシャ・ンラ”は
土が入った”カタツムリの殻(から)”と、
”鳩(はと)”と”雌鳥(めんどり)”を与えられた。
大神”オリシャ・ンラ”は
”カタツムリの殻(から)”の土を湿地に撒き、
それを、”鳩(はと)”と”雌鳥(めんどり)”が引っ掻き、散らばせ、
湿地の大半が固い地面となった。
大神”オリシャ・ンラ”は、至高神”オロルン”に報告した。
報告を聞いた至高神”オロルン”は
仕事の状況を検査するために”カメレオン”を派遣した。
最初の派遣では、まだ不十分だったが
二度目の派遣の結果は満足のいくものだった。
こうして、ずぶずぶの湿地は固い地面となったのである。
この場所は”イフェ(広いの意味)”と呼ばれ、
後に居住地となったことから、”イレ(家の意味)”を加えて
”イレ・イフェ”となり、ヨルバ族の最も神聖な都市なのである。
大地の創造には四日間かかった為、週は四日制となり
91週364日となり、残りの1日は、
大神を崇拝するための”神を祀る日”とされた。
その後、至高神”オロルン”は
椰子(やし)の木の実を大神”オリシャ・ンラ”に与え、
再び地上に戻し、人に食料と富をもたらす元とした。
いよいよ、最初の部族が天国で創られ地上に送られた。
人間の創出の仕事は大神”オリシャ・ンラ”に任されたが
彼が行なうのは、土から肉体を作り鋳型に流し込むまでで
生命の付与は創造主”オロルン”が行なった。
大神”オリシャ・ンラ”は
その生命付与の秘密を探るために一計を案じ
鋳型の影に身を隠し、創造主”オロルン”の仕事を盗み見しようとするが
創造主”オロルン”は全てご承知で
大神”オリシャ・ンラ”を深い眠りに誘い
彼が起きた時には生命は既に宿された後だった。
今も大神”オリシャ・ンラ”は人間の男女を創っているが
不満の表れとして、その印の痣(あざ)を残すのである。
*創世神話には一部異説があります*
上記の著作の中から、
紹介!アフリカ神話(1)では
ナイジェリア南西部及び、ベニン東部に広がる
通称”ヨルバランド”に住む”ヨルバ族”の神話を紹介しましょう。
アフリカの諸部族の中でも大きな部族で、
1千200万人〜2千万人ほどの人数がいるそうです。
部族の歴史も古く、その神話は体系化されているようです。
<<創世神話(大地の創造と人の創造>>
はじめ、世界はずぶずぶの水浸しの荒れた土地と空しかなかった。
空には、その所有者である至高神”オロルン”とその他の神々が住んでいた。
神々はずぶずぶの荒れ地で遊ぼうと”蜘蛛(くも)の糸”を伝って降りてきた。
固い地面が無かったので、まだ人間はいなかった。
そこである日、絶対神”オロルン”は
神々の首長の大神”オリシャ・ンラ”に固い地面の創造を依頼した。
大神”オリシャ・ンラ”は
土が入った”カタツムリの殻(から)”と、
”鳩(はと)”と”雌鳥(めんどり)”を与えられた。
大神”オリシャ・ンラ”は
”カタツムリの殻(から)”の土を湿地に撒き、
それを、”鳩(はと)”と”雌鳥(めんどり)”が引っ掻き、散らばせ、
湿地の大半が固い地面となった。
大神”オリシャ・ンラ”は、至高神”オロルン”に報告した。
報告を聞いた至高神”オロルン”は
仕事の状況を検査するために”カメレオン”を派遣した。
最初の派遣では、まだ不十分だったが
二度目の派遣の結果は満足のいくものだった。
こうして、ずぶずぶの湿地は固い地面となったのである。
この場所は”イフェ(広いの意味)”と呼ばれ、
後に居住地となったことから、”イレ(家の意味)”を加えて
”イレ・イフェ”となり、ヨルバ族の最も神聖な都市なのである。
大地の創造には四日間かかった為、週は四日制となり
91週364日となり、残りの1日は、
大神を崇拝するための”神を祀る日”とされた。
その後、至高神”オロルン”は
椰子(やし)の木の実を大神”オリシャ・ンラ”に与え、
再び地上に戻し、人に食料と富をもたらす元とした。
いよいよ、最初の部族が天国で創られ地上に送られた。
人間の創出の仕事は大神”オリシャ・ンラ”に任されたが
彼が行なうのは、土から肉体を作り鋳型に流し込むまでで
生命の付与は創造主”オロルン”が行なった。
大神”オリシャ・ンラ”は
その生命付与の秘密を探るために一計を案じ
鋳型の影に身を隠し、創造主”オロルン”の仕事を盗み見しようとするが
創造主”オロルン”は全てご承知で
大神”オリシャ・ンラ”を深い眠りに誘い
彼が起きた時には生命は既に宿された後だった。
今も大神”オリシャ・ンラ”は人間の男女を創っているが
不満の表れとして、その印の痣(あざ)を残すのである。
*創世神話には一部異説があります*
異説では、湿地を固めたのは、大神”オリシャ・ンラ”ではなく
”オルンミラ”(天は救いを知りたまうの意味)という神です。
至高神”オロルン”は
創造の準備を整えると”明けの明星”を使者として派遣し
大小の群神達に呼びかけましたが、
それに応じたのが唯一”オルンミラ”という神でした。
彼は、神(オロルン?)の股の間に置いてある生活の袋の中から
生活の材料の入った”カタツムリの殻(から)”を取り出し
それを持って下界に降り立ち、中身を大地に撒き、
”鳩(はと)”と”雌鳥(めんどり)”に広くばらまかせました。
また、別の話では”オルンミラ”は、しばらく地上に住み
人々に神の意志を理解させた後、縄を伝って天に帰りますが、
海の持ち主”オロクン”が世界の大半を住めないような土地にしてしまいます。
憐れに思った”オルンミラ”は再び降臨して大地を元に戻したと言います。
<<嵐の精霊シャンゴ>>
嵐の精霊”シャンゴ”は
かつて人間であり、部族の四代目の王である。
強力な支配者にして偉大な医者であった彼の王国は
近隣諸国まで広がるものであった。
しかし、その性は暴虐であった為、
二人の大臣から挑戦を受けることとなる。
彼らの攻撃を避けるために同士討ちを画策するが
策は成就せず、一人は生き残りシャンゴに挑み掛かってきた。
彼は三人の妻と忠実な家来数人とともに森へ逃げたが
最後には最愛の妻を残すのみとなり
絶望のあまり”コソ”の地にて、首をくくって自殺した。
旅行者によって、暴虐の王”シャンゴ”の最後が伝えられると
敵対者達は、今尚忠誠を誓う者達を嘲ったが
その後、敵対者達の家々に嵐のさなかの火事が頻発した。
それは、呪術者の助言によるシャンゴの盟友達の仕業であったが
シャンゴの家来達は、これこそシャンゴが
”コ・ソ(首くくりなどしていないの意味)”の証明であるとした。
彼が天から火を送り怒りを表わしているのだとしたのである。
なぜなら、シャンゴは”口から火を吐き、人を殺すことが出来た”からである。
その為、その怒りを収める為に犠牲が供されることとなり
コソの地に礼拝所が建てられた。
祭祀が伝える異説によれば、
シャンゴは不満を持つ家来に怒りを覚え
馬に乗り森の中へと消えてしまった。
捜索隊が追いかけたが、馬しか見つからず
空から声が轟き、鎖を伝って空へと登った今後は
雷での支配を宣言したという。
雷の音はシャンゴにとって神聖な動物である牡羊の鳴き声とされ、
天から落ちる雷電は両刃の斧であるとされるのである。
ゆえに、嵐の精霊の僧侶達とその従者たちは、
木の柄と美しい飾り付きの薄刃の斧を持ち歩くのである。
<<鉄の神”オグン”>>
大地がまだ湿地であった頃、鉄の神”オグン”は
しばしば狩りをする為に蜘蛛(くも)の網を伝って沼地へ降りてきた。
その後、大神(オリシャ・ンラ?)により創られた大地に
道無き密林があり、青銅の道具しか持たない神々は
入ることも出来なかった。
唯一”オグン”だけが”鉄の斧”により密林を切り開くことができたので
他の神々はお礼を約束し、彼に道を切り開くよう依頼した。
そこで、”オグン”は密林を切り開き道を通した。
聖なる都市”イレ・イフェ”が建設されたとき、
神々はお礼として”オグン”に王冠を贈った。
しかし、仲間を支配する事より、狩りと戦いを好む”オグン”は
国が見渡せ、獲物の状況を探ることの出来る丘の上に
長い間、独り住むことを選んだ。
”オグン”が丘から他の神々の元へ戻ろうとしたとき
彼の体が血で汚れていることを理由に
他の神々は彼を受け入れようとはしなかった。
そこで彼は、椰子(やし)の木の皮で衣服を作り
他の地で暮らすために去っていった。
<<海の持ち主”オロクン”>>
海の持ち主”オロクン”は
人間や魚の姿をした従者を従えて水中に住んでいるとされる。
空の持ち主/創造主/至高神”オロルン”に次ぐ地位を持つ。
その地位は空の持ち主”オロルン”と
海の持ち主”オロクン”の競い合いにより決したと伝えられる。
ある時、海の持ち主”オロクン”は
空の持ち主”オロルン”即ち創造主に
それぞれ美しい着物を着て人々の前に現れ、
どちらがより賞賛を人々から受けるか競おうと持ちかけた。
対決の日、創造主”オロルン”は
海の持ち主”オロクン”を連れてくるよう
”カメレオン”を使者として遣わした。
海の持ち主”オロクン”が海の宮殿から顔を出すと
使者である”カメレオン”が、
彼と同じ豪華な衣装を身につけている事に驚いた。
海の持ち主”オロクン”は、すぐに戻り、
より豪華で美しい珊瑚(さんご)のビーズを付けた衣装に着替えたが
顔を出してみると、”カメレオン”もまた、同様の衣装に着替えていた。
海の持ち主”オロクン”は、七度神の使者”カメレオン”に挑んだが
ことごとく、同じ衣装で迎えられ対抗されてしまった。
使者がこれほど絢爛豪華であるならば
空の持ち主”オロルン”即ち創造主は、もっと凄いに違いない。
そう考えた海の持ち主”オロクン”は、競争をあきらめ、
至高神”オロルン”に次ぐ地位に甘んじたのである。
<<神託の精霊/神”イファ”>>
イファの精霊は、前出の”オルンミラ”(天は救いを知りたもうの意味)と
同一視される神託・占いの精霊/神である。
人格神の”イファ”は、
地上に降りたことのない超人的な両親のもとに生を受け
世界を正常な状態に置くために神(オロルン?)により派遣された。
彼は、医術・薬学・言語学に通じ、秘密への導き手である。
彼は、立ち寄った先々に相談センターを作り
病人を癒し、出産を助け、薬の知識を教え、助言を与えながら
聖地”イレ・イフェ”へと至る。
天と地全ての言語に通じ、各人がどの部族に属すべきか示唆を与え
しばしば神からの神託を伝えた。
その為、聖地”イレ・イフェ”は今でも”イファ”崇拝の中心である。
イファの占いは、近隣諸国でも借用される最も有名なもので
四と十六の組み合わせによる木の実を投げ、
占い盤の上に出た図形を読む事により行使される。
<<神々と人の仲介者、精霊”エシュ”>>
”エシュ”は神の使者であり人の守護神である。
しかしその性格は不可解で理解しがたく、
時に凶暴で、ずる賢く、人の悪行に対する神の怒りと理解される。
その力は強大で、彼を御し得るのは至高神だけである。
ある時、嵐の神(シャンゴ?)が、
その他全ての精霊を従わせる事ができると自慢した。
それを聞いた”エシュ”は、嵐の神に
その中に自分も含まれるのかと問いただしたところ
嵐の神は即座に謝り、”エシュ”は含んでいないと言ったという。
また、ある神が”エシュ”に相談することなく奴隷を買った時、
翌朝その奴隷が絞め殺されているのを見て、
犯人が誰であるかをすぐに悟ったという。
有名な逸話の中に、不和をもたらす話がある。
ある時、二人の妻と仲良く暮らす夫がいたが、
一人の妻が市場で美しい帽子を買ってきたことにより
夫はその妻だけを可愛がるようになってしまった。
もう一人の妻が市場に出かけ、別の美しい帽子を買ってくると
今度はその妻ばかりを夫が可愛がるようになった。
二人の妻は、代る代る市場で新しい帽子を手に入れては
夫を争うようになり、競争はエスカレートしていった。
ついには周囲がどういう状況なのかもわからなくなってしまった。
そこまで来た時、妻達に帽子を売っていた商人が
市場から姿を消してしまい、妻達は絶望して
家庭は争いの中にのまれてしまったという。
その市場の商人が”エシュ”である。
彼は、平和を好まず、混乱を好むので
この夫婦に罠をしかけたというのである。
<<その他の神、”オドゥドゥワ”/”オラニャン”>>
”オドゥドゥワ”は、大神”オリシャ・ンラ”の弟で、
聖地”イラ・イフェ”の初代の王である。
大神”オリシャ・ンラ”は、世界創造の中途で
椰子(やし)酒に酔い、長く眠り込んでしまった。
報告が無いことに業を煮やした創造主は、
大神”オリシャ・ンラ”の弟である”オドゥドゥワ”を地上に遣わし、
”オドゥドゥワ”は兄が寝ている間に偉業を完成させた。
その働きにより、最初の土地である聖地”イラ・イフェ”の王となった。
”オラニャン”は、”オドゥドゥワ”の息子で偉大な戦士であり王である。
”オラニャン”は年を取ると、木立の中に引退したが、
自分の部族が攻撃を受けると、即座に飛び出し、
独力で敵を追い払ったという。
しかし、ある祭礼の日に酔っぱらいなどが横行し、
騒乱が起こってしまった。
それを、敵の攻撃と勘違いしたある男が
”オラニャン”にその事を告げた為、
老王”オラニャン”は祭礼の場に乗り込み、
大人数を相手に激しく戦った。
人々は、敵ではなく私たち部族の家来を
これ以上殺さないで欲しいと老王に頼んだ。
それを聞いた老王”オラニャン”はショックを受け、
二度と戦わないと宣言すると、持っていた旗を地面に突き立てた。
旗は石となり、続いて、老王”オラニャン”もその妻も石に変わったという。
その後、残存する石が掘り出され
”オラニャンの旗”という柱を復元する為につなぎ合わされ
その高さは地上20フィート(約6メートル)にもなり、鉄鋲が打ち込まれ
その型と意味が論議を呼んだという話である。
2008-01-12 16:41:24
”オルンミラ”(天は救いを知りたまうの意味)という神です。
至高神”オロルン”は
創造の準備を整えると”明けの明星”を使者として派遣し
大小の群神達に呼びかけましたが、
それに応じたのが唯一”オルンミラ”という神でした。
彼は、神(オロルン?)の股の間に置いてある生活の袋の中から
生活の材料の入った”カタツムリの殻(から)”を取り出し
それを持って下界に降り立ち、中身を大地に撒き、
”鳩(はと)”と”雌鳥(めんどり)”に広くばらまかせました。
また、別の話では”オルンミラ”は、しばらく地上に住み
人々に神の意志を理解させた後、縄を伝って天に帰りますが、
海の持ち主”オロクン”が世界の大半を住めないような土地にしてしまいます。
憐れに思った”オルンミラ”は再び降臨して大地を元に戻したと言います。
<<嵐の精霊シャンゴ>>
嵐の精霊”シャンゴ”は
かつて人間であり、部族の四代目の王である。
強力な支配者にして偉大な医者であった彼の王国は
近隣諸国まで広がるものであった。
しかし、その性は暴虐であった為、
二人の大臣から挑戦を受けることとなる。
彼らの攻撃を避けるために同士討ちを画策するが
策は成就せず、一人は生き残りシャンゴに挑み掛かってきた。
彼は三人の妻と忠実な家来数人とともに森へ逃げたが
最後には最愛の妻を残すのみとなり
絶望のあまり”コソ”の地にて、首をくくって自殺した。
旅行者によって、暴虐の王”シャンゴ”の最後が伝えられると
敵対者達は、今尚忠誠を誓う者達を嘲ったが
その後、敵対者達の家々に嵐のさなかの火事が頻発した。
それは、呪術者の助言によるシャンゴの盟友達の仕業であったが
シャンゴの家来達は、これこそシャンゴが
”コ・ソ(首くくりなどしていないの意味)”の証明であるとした。
彼が天から火を送り怒りを表わしているのだとしたのである。
なぜなら、シャンゴは”口から火を吐き、人を殺すことが出来た”からである。
その為、その怒りを収める為に犠牲が供されることとなり
コソの地に礼拝所が建てられた。
祭祀が伝える異説によれば、
シャンゴは不満を持つ家来に怒りを覚え
馬に乗り森の中へと消えてしまった。
捜索隊が追いかけたが、馬しか見つからず
空から声が轟き、鎖を伝って空へと登った今後は
雷での支配を宣言したという。
雷の音はシャンゴにとって神聖な動物である牡羊の鳴き声とされ、
天から落ちる雷電は両刃の斧であるとされるのである。
ゆえに、嵐の精霊の僧侶達とその従者たちは、
木の柄と美しい飾り付きの薄刃の斧を持ち歩くのである。
<<鉄の神”オグン”>>
大地がまだ湿地であった頃、鉄の神”オグン”は
しばしば狩りをする為に蜘蛛(くも)の網を伝って沼地へ降りてきた。
その後、大神(オリシャ・ンラ?)により創られた大地に
道無き密林があり、青銅の道具しか持たない神々は
入ることも出来なかった。
唯一”オグン”だけが”鉄の斧”により密林を切り開くことができたので
他の神々はお礼を約束し、彼に道を切り開くよう依頼した。
そこで、”オグン”は密林を切り開き道を通した。
聖なる都市”イレ・イフェ”が建設されたとき、
神々はお礼として”オグン”に王冠を贈った。
しかし、仲間を支配する事より、狩りと戦いを好む”オグン”は
国が見渡せ、獲物の状況を探ることの出来る丘の上に
長い間、独り住むことを選んだ。
”オグン”が丘から他の神々の元へ戻ろうとしたとき
彼の体が血で汚れていることを理由に
他の神々は彼を受け入れようとはしなかった。
そこで彼は、椰子(やし)の木の皮で衣服を作り
他の地で暮らすために去っていった。
<<海の持ち主”オロクン”>>
![]() |
| <海の持ち主”オロクン”青銅像> ライデン国立民族博物館 |
海の持ち主”オロクン”は
人間や魚の姿をした従者を従えて水中に住んでいるとされる。
空の持ち主/創造主/至高神”オロルン”に次ぐ地位を持つ。
その地位は空の持ち主”オロルン”と
海の持ち主”オロクン”の競い合いにより決したと伝えられる。
ある時、海の持ち主”オロクン”は
空の持ち主”オロルン”即ち創造主に
それぞれ美しい着物を着て人々の前に現れ、
どちらがより賞賛を人々から受けるか競おうと持ちかけた。
対決の日、創造主”オロルン”は
海の持ち主”オロクン”を連れてくるよう
”カメレオン”を使者として遣わした。
海の持ち主”オロクン”が海の宮殿から顔を出すと
使者である”カメレオン”が、
彼と同じ豪華な衣装を身につけている事に驚いた。
海の持ち主”オロクン”は、すぐに戻り、
より豪華で美しい珊瑚(さんご)のビーズを付けた衣装に着替えたが
顔を出してみると、”カメレオン”もまた、同様の衣装に着替えていた。
海の持ち主”オロクン”は、七度神の使者”カメレオン”に挑んだが
ことごとく、同じ衣装で迎えられ対抗されてしまった。
使者がこれほど絢爛豪華であるならば
空の持ち主”オロルン”即ち創造主は、もっと凄いに違いない。
そう考えた海の持ち主”オロクン”は、競争をあきらめ、
至高神”オロルン”に次ぐ地位に甘んじたのである。
<<神託の精霊/神”イファ”>>
イファの精霊は、前出の”オルンミラ”(天は救いを知りたもうの意味)と
同一視される神託・占いの精霊/神である。
人格神の”イファ”は、
地上に降りたことのない超人的な両親のもとに生を受け
世界を正常な状態に置くために神(オロルン?)により派遣された。
彼は、医術・薬学・言語学に通じ、秘密への導き手である。
彼は、立ち寄った先々に相談センターを作り
病人を癒し、出産を助け、薬の知識を教え、助言を与えながら
聖地”イレ・イフェ”へと至る。
天と地全ての言語に通じ、各人がどの部族に属すべきか示唆を与え
しばしば神からの神託を伝えた。
その為、聖地”イレ・イフェ”は今でも”イファ”崇拝の中心である。
イファの占いは、近隣諸国でも借用される最も有名なもので
四と十六の組み合わせによる木の実を投げ、
占い盤の上に出た図形を読む事により行使される。
<<神々と人の仲介者、精霊”エシュ”>>
”エシュ”は神の使者であり人の守護神である。
しかしその性格は不可解で理解しがたく、
時に凶暴で、ずる賢く、人の悪行に対する神の怒りと理解される。
その力は強大で、彼を御し得るのは至高神だけである。
ある時、嵐の神(シャンゴ?)が、
その他全ての精霊を従わせる事ができると自慢した。
それを聞いた”エシュ”は、嵐の神に
その中に自分も含まれるのかと問いただしたところ
嵐の神は即座に謝り、”エシュ”は含んでいないと言ったという。
また、ある神が”エシュ”に相談することなく奴隷を買った時、
翌朝その奴隷が絞め殺されているのを見て、
犯人が誰であるかをすぐに悟ったという。
有名な逸話の中に、不和をもたらす話がある。
ある時、二人の妻と仲良く暮らす夫がいたが、
一人の妻が市場で美しい帽子を買ってきたことにより
夫はその妻だけを可愛がるようになってしまった。
もう一人の妻が市場に出かけ、別の美しい帽子を買ってくると
今度はその妻ばかりを夫が可愛がるようになった。
二人の妻は、代る代る市場で新しい帽子を手に入れては
夫を争うようになり、競争はエスカレートしていった。
ついには周囲がどういう状況なのかもわからなくなってしまった。
そこまで来た時、妻達に帽子を売っていた商人が
市場から姿を消してしまい、妻達は絶望して
家庭は争いの中にのまれてしまったという。
その市場の商人が”エシュ”である。
彼は、平和を好まず、混乱を好むので
この夫婦に罠をしかけたというのである。
<<その他の神、”オドゥドゥワ”/”オラニャン”>>
”オドゥドゥワ”は、大神”オリシャ・ンラ”の弟で、
聖地”イラ・イフェ”の初代の王である。
大神”オリシャ・ンラ”は、世界創造の中途で
椰子(やし)酒に酔い、長く眠り込んでしまった。
報告が無いことに業を煮やした創造主は、
大神”オリシャ・ンラ”の弟である”オドゥドゥワ”を地上に遣わし、
”オドゥドゥワ”は兄が寝ている間に偉業を完成させた。
その働きにより、最初の土地である聖地”イラ・イフェ”の王となった。
”オラニャン”は、”オドゥドゥワ”の息子で偉大な戦士であり王である。
”オラニャン”は年を取ると、木立の中に引退したが、
自分の部族が攻撃を受けると、即座に飛び出し、
独力で敵を追い払ったという。
しかし、ある祭礼の日に酔っぱらいなどが横行し、
騒乱が起こってしまった。
それを、敵の攻撃と勘違いしたある男が
”オラニャン”にその事を告げた為、
老王”オラニャン”は祭礼の場に乗り込み、
大人数を相手に激しく戦った。
人々は、敵ではなく私たち部族の家来を
これ以上殺さないで欲しいと老王に頼んだ。
それを聞いた老王”オラニャン”はショックを受け、
二度と戦わないと宣言すると、持っていた旗を地面に突き立てた。
旗は石となり、続いて、老王”オラニャン”もその妻も石に変わったという。
その後、残存する石が掘り出され
”オラニャンの旗”という柱を復元する為につなぎ合わされ
その高さは地上20フィート(約6メートル)にもなり、鉄鋲が打ち込まれ
その型と意味が論議を呼んだという話である。
2008-01-12 16:41:24
コメント
背景年代
気になる時代背景(笑)
かしりょうさん、こんばんは。
うーん。興味深い神話ですね。
確かに色んな神話の元型としても面白いですが、鉄の神が出てくるあたり、神話としてまとまったのは比較的時代が下ってからなんでしょうね。。。それとも隕鉄の事なのかな?
占い好きな私としては4×16とか、4×91週などと言うのも興味を魅かれますし。
羊とか火を吹く神、鉄の神なんかも全て火星の象徴という点も気になるところです。もし占星術的な知識があったとすれば、この神話が生まれた年代は紀元前2000年から紀元元年ぐらいまでの事となりますから。。。
大地の創造の箇所なんか洪水伝説を彷彿としますけど、火星の守護する星座は牡羊座と蠍座で、蠍座は水のエレメントに属しますから、海の神が最後まで抵抗したのと関係あるのでしょうか。。。
もし洪水伝説の反映だとすれば、最も新しい洪水は紀元前4000年ごろのメソポタミアの洪水でしょうか。。。
とすると、もう少し時代を遡れるのかな。。。つい、占いと結び付けてしまって済みませんけど^^;
うーん。興味深い神話ですね。
確かに色んな神話の元型としても面白いですが、鉄の神が出てくるあたり、神話としてまとまったのは比較的時代が下ってからなんでしょうね。。。それとも隕鉄の事なのかな?
占い好きな私としては4×16とか、4×91週などと言うのも興味を魅かれますし。
羊とか火を吹く神、鉄の神なんかも全て火星の象徴という点も気になるところです。もし占星術的な知識があったとすれば、この神話が生まれた年代は紀元前2000年から紀元元年ぐらいまでの事となりますから。。。
大地の創造の箇所なんか洪水伝説を彷彿としますけど、火星の守護する星座は牡羊座と蠍座で、蠍座は水のエレメントに属しますから、海の神が最後まで抵抗したのと関係あるのでしょうか。。。
もし洪水伝説の反映だとすれば、最も新しい洪水は紀元前4000年ごろのメソポタミアの洪水でしょうか。。。
とすると、もう少し時代を遡れるのかな。。。つい、占いと結び付けてしまって済みませんけど^^;
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背景年代については、はっきりしないんですよ(苦笑)
ヨルバ族の築いた”オヨ王国”は14世紀に成立したようですが、それ以前に”古オヨ王国”があったようで、こちらは6世紀〜10世紀ぐらいには、あったようです。
神話に出てくる王族になる神は、その”古オヨ王国”の始祖神話からすでにあったと思われます。
やはり、数字と占いには注目されましたね(笑)。
最初、長くなるので細かい数字などはあらすじから省こうかと思ったのですが、
個人的に何気なく出される数字には意味が隠されていると考える方なので、やはりきちんと書く事にしました。
イファの占いについてですが、現在の形は紹介したような簡単なものではなく、きちんとした判定法の書かれた書があるという事です。
その項目もかなり細部にわたるようですよ。
参考までに、下のURLを載せておきますね。
http://www.accu.or.jp/masterpiece/29afr_jp.htm
アフリカの多くの神話がそうなのですが、洪水伝説の後から始まる創世神話の色が濃いようです。
一度世界の大部分が水に沈んだような表現が多く見られます。
また、空と表現されますが、これを文字通り空ととらず、山上と捉えると面白いかなと思っているんです。
鉄の神オグンが下界の地位を望まず、丘の上に住むというのも、鉱物従事者や鍛冶従事者の多くが丘や山上に居を構えるのと対比できるかなと(笑)
まだまだ、他の部族の神話を紹介しますので
楽しみにしていてください(笑)