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大樹の下で

神話・古史・古伝・民間伝承に関わる、自由な空想を不定期に更新しています。

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紹介!アフリカ神話(2)~フォン族編

「アフリカ神話」 ジェフリー・パリンダー著作
上記の著作の中から、
紹介!アフリカ神話(2)では
ベニン共和国の50%以上を占めるという”フォン族”
特に世界遺産にも指定されている”アボメイの王宮群”を成立させた
”アボメイ”(都市名)の”フォン族”の神話を紹介します。
(1)で紹介した”ヨルバ族”のお隣さんで、
時に味方に敵になった間柄のようです。
そのせいか、海の神イファの占いなど同一の神話も持つようです。
この”フォン族”の言葉”Vundun”(精霊の意)は、
”ブードゥー(Voodoo)教”の語源と言われているようです。

<<天国の双子”マウ”と”リサ”>>
原初の母”ナナ・ブルク”は世界を創造した後、隠遁したが
その前に自らが生んだ双子を残した。
月の女神”マウ”と太陽の男神”リサ”の双子である。
月の女神”マウ”は夜を支配し、西に住み、
太陽の男神”リサ”は昼を支配し、東に住む。
月の女神”マウ”は、おとなしく心優しく清々しいのに対して、
太陽の男神”リサ”は凶暴で粗野であったという。
彼らははじめそれぞれの位置に定まった時、子供がなかったのだが
日食の時に一緒になり、以降、日食や月食の時に交わり続けているのである。
この双子から全ての神々は生れた。

”マウ””リサ”が生んだ神々もまた全て双子で七組である。
諸説あって順番は定かではない。
ある日、”マウ””リサ”は子供達を集め、
それぞれに領地を配分した。
”双子の第一組”(おそらく、地球の双子/大地の双子?)は
地球の支配を任され、天国から欲しいモノを何でも持ち出す事を許された。
”嵐の双子”は空に留まり、雷と稲妻を支配するよう言われた。
”鉄の双子”は、森を切り開き耕作地を作るよう命じられ、
人に道具や武器を与えるように言われた。
”別の組”(おそらく、水の双子/海の双子?)は
海とその他全ての水に住み、魚の支配を命じられた。
”他の組”(おそらく、森の双子/山の双子?)は鳥や獣を支配し、
木々の世話をするよう命じられ、灌木林に送られた。
”その他の神々”は、大地と空の間の空間を領地とされ、
人間の寿命を任された。
彼らは地上の全ての出来事を報告するために
至高神”マウ”の元に時々戻るように言われた。
また、他の神々が彼らの姿を人から見えないようにした為、
人は彼ら空の神々を、空あるいは精霊として語るのである。

領地の配分については、一部に詳細な話があるが、これは後で紹介する。

本来”マウ””リサ”の二人で最高神/至高神となるのであるが、
太陽の男神”リサ”の名よりも、月の女神”マウ”ひとりの名前において
至高神とされる場合が多い。
その場合、”マウ”の性別や役割が曖昧になり
至高神としての偉大な神性のみが語られることもある。
<<宇宙である”カラバッシュ”>>
球形のカラバッシュ
球形のカラバッシュ
パープル・カラバッシュ(実はトマト)
パープル・カラバッシュ(実はトマト)
お馴染みひょうたん型カラバッシュ
お馴染みひょうたん型カラバッシュ
”カラバッシュ(Calabash)”とは、
一般的にはアフリカにおける
”瓢箪(ひょうたん)”の事。

実際には、瓜(うり)や南瓜(かぼちゃ)も含み、右写真のように、かぼちゃ型のトマトまである(爆)。

”瓢箪(ひょうたん)”の”カラバッシュ”
各種道具として加工され、その用途は
食器、運搬用の入れ物、楽器、ランプなど
多岐にわたる。

”フォン族”の宇宙観では
世界は球形の”カラバッシュ”のようだと伝えられる。

宇宙は丸いカラバッシュのようであり、
水平線は分割されたカラバッシュの上下の接点であり、人が近づくことができない空と海が混じり合う理想的な場所とされる。
また、地球は大きなカラバッシュの中に浮かぶ小さなカラバッシュのようなものの中にあり
平坦であると考えられた。

太陽、月、星は、
カラバッシュの上の部分の縁を移動する。

球体の内部には、水平線上のみならず
大地の下も水で満たされており
全地球を取り巻くようにあるとされる。
その為、神が万物の創造を行なう時、
最も関心を寄せたのが
水との境界線を定めて大地を作る事であり、
上下に分割されたカラバッシュを
ピッタリ接合する事であったという。

ここで言われる神は、
原初の母”ナナ・ブルク”であると思われるが
パリンダーの著作では言及がない。
その辺り、至高神”マウ”の名が強すぎて
全てが”マウ”に帰結してしまうような状況が窺われる。

<<神聖な永遠の蛇>>
神(ナナ・ブルク?)が水で取り巻かれた世界の中から
土を集め大地を創る為に選び出した(最初に創造した)のが
”神聖な蛇(へび)”である。
創世の状況にはいくつかの異説があるようだ。

”蛇(へび)”はトグロで土をかき集め、人間に住む場所を与えた。
今尚、”蛇(へび)”はトグロの力を緩めることなく
創造された万物が分解してしまわぬように世界を支えているという。
大地の上に三千五百のトグロがあり、
大地の下にも三千五百のトグロがあるのだという。

別の説では、”蛇(へび)”は天の支えとして
東西南北のそれぞれに一本ずつ四本の柱をたて
それを真っ直ぐに保つために柱の周りに体を巻き付けている。
天の柱はの三原色(文化的三原色と思われる)で取り巻かれ
それは、”蛇(へび)”夕方に着る着物の色であるという。

また別の説では、”蛇(へび)”は”動き”の象徴であり、
止まることなく動き続ける運動の最高の力である。
”蛇(へび)”は水の中に住み、今でも地球をぐるぐる巡っており、
はじめ溜まった水しかなかった世界に水の流れる道(小川や川)を設計し、
それによって、世界は生命を享受することができたのだという。

さらに別の説では、”蛇(へび)””造物主”により最初に創り出され
”造物主”を口にくわえて、あらゆる場所に運び、
現在のような世界が出来上がったという。
毎晩、彼らが留まった場所に、
”蛇(へび)”の大きな糞(くそ)の山が現れたので
山を掘り進むと宝が見つかるのだという。
”造物主”が仕事を終えた時、
地球に運ぶにはあまりに多すぎる山や川、大きすぎる動物があり、
地球がその為に大洋に沈んでしまわないように
”造物主””蛇(へび)”に頼んだ。
それは重い物を頭に乗せ運ぶ為に必要な丸い詰め物のように、
地球を支える為に、尻尾を口にくわえトグロを巻くようにと言うことだった。
”蛇(へび)”は暑いのを好まないので海の水が彼を冷やしているという。
”造物主”はまた、海に住む”赤い猿(さる)”達に
”蛇(へび)”が飢えたときの為に食料とする鉄の棒を作るように命じた。
地震は”蛇(へび)”がしばしば動く為であり、
もし”赤い猿(さる)”達が餌(えさ)を与えることを怠れば
”蛇(へび)”は自らの尾を食べるしか無く
体の短くなった”蛇(へび)”が重さに耐えられなくなれば
世界は大洋にずり落ち、滅んでしまうだろうと言われる。

海に住む”赤い猿(さる)”とは何を言っているのだろう?
パリンダーは何も言及していないのだ。

もう一つ、”蛇(へび)”を象徴するモノがある。
それが、”二重の虹(にじ)”である。
赤い部分は男の部分、青い部分は女の部分であるとされる。
また、”虹(にじ)のふもとで発見される財宝”の空想が
広く流布しているという。
キラキラ光る*”アグリー・ビーズ”*や、
山から掘り出される”蛇(へび)の財貨と呼ばれる金”がそれにあたるという。

*”アグリー・ビーズ”*
パリンダーはこれを、カタツムリの殻で作ったビーズと想定している。
古代の装飾用品の中にカタツムリの殻や殻を加工したビーズがある。
現在、アグリー・ビーズと呼称されるビーズはないようで
英語のアグリー(みにくいの意味)であるか、アグリ(農業の~の意味)であるかは
判然としない。

<<地球と嵐の喧嘩>>
*造物主*が万物の創造を終えると、引退し、子供達に宇宙の分配をした。

年長の”地球””嵐(あらし)”と喧嘩をして、
相続した全てのモノを持って下界へ降りることを決め、
造物主もまたそれに同意した。その際、造物主は、
兄弟は”瓢箪(ひょうたん)の半分ずつの様なモノ”でなくてはならず、
”嵐(あらし)”は上の部分、”地球”は下の部分といったように、
ピッタリと合わさって仲良くしなければならないと言ったという。

ところが、”地球”が下界に降りると、
”嵐(あらし)”は雨を降らせることを止めてしまった。
下界の王となっていた”地球”は、3年間も雨が降らず
人々は彼の支配下で飢えと乾きの為死にかけていると訴え出た。

神託が下ると、*父*の全財産を持っていってしまった”地球”に対して
”嵐(あらし)”が怒っているからだということだった。

”地球”は全財産を袋に詰め込んだが
火と水だけは詰め込むことができず残して来ていた事を思い出し、
神託の忠告に従い、所有物を犠牲に捧げ、
この行いを”小鳥(ことり)”を飛ばして”嵐(あらし)”に報告させた。

報告を受けた”嵐(あらし)”は、自分は火と水だけを統御しているが
それによって、全てのモノを手に入れることができたとして気分を和らげた。
仲直りの印は大きな雷の音として響き、豪雨が降り始めたという。

その後、雨は毎年降り、兄弟は仲良くしており、
知らせを届けた”小鳥(ことり)”は地球の祭祀達にとって
神聖なモノになったという。

*造物主*/*父*
ここで言う造物主は、原初の母”ナナ・ブルク”ではないかと思われる。
前述した分配の神話では月と太陽の双子”マウ””リサ”が分配を行なっているが
引退はしていないからだ。
しかし、その後、財産を分け与えたのがであると表現される。
太陽の”リサ”は月の”マウ”の息子とする説があるようで、
このあたり、”ナナ・ブルク”/”マウ”/”リサ”の三者の境界が
造物主の名で曖昧(あいまい)になっているようである。

<<精霊”レグバ”>>
はじめ、神が地上に住んでいた頃、
精霊”レグバ”もまた地上に住み神の命令で動くだけだった。
神が命令することは、人にとって良い事も悪い事もあって
その命令に従い”レグバ”は行動するだけなのだが、
良い事をした時には、神が感謝され、
悪い事をした時には、”レグバ”が非難された。
結果、彼は非難ばかりされ、嫌われてしまった。
その事に嫌気がさした”レグバ”は神に聞いてみた。
神の答えはこうだった。
支配者は良い事に対して感謝され、
従者は悪い事に対して非難されるべきなのだと。

上を踏まえた上で、”レグバ”は神が天国に戻る話にも登場する。

神は美味しいヤム芋の畑を持っていた。
”レグバ”は盗賊がそれを盗もうとしていると神に告げた。
神は所有するヤム芋を盗むモノは何人たりとも生かしておかないと警告した。
その後、夜のうちに神のヤム芋が全部盗まれてしまった。
雨上がりの畑には、くっきりと足跡が残っていたので
”レグバ”は足跡から泥棒はすぐにわかると神に進言した。
そこで神は皆を呼び集めて検証したのだが、
足跡が大きすぎて誰も符合する者がいなかった。
そこで”レグバ”は、おそらく神自身が眠っている間に
ヤム芋を取ったのではないかと言った。
神はそれを否定し、悪ふざけも大概にしろと言ったのだが
足をおろす事には同意した。
ところが、神が足をおろすと足跡はピッタリと一致した。
人々は、神が盗んだのだと歓声をあげた。
実は、この足跡は”レグバ”が神の家からサンダルを盗み出し
ヤム芋を盗む時に履いたものだった。
神はそれに気付いて、*息子*の策略にかかった事を知るが、
これを機にこの世界から去ってしまったという。

もう一つの話では、嫌気がさした”レグバ”
ある老婆に洗濯をした後残る水を天に捨てるように説得したという。
汚い水を洗濯のたびに顔に投げつけられる神は
それを嫌がってだんだんと遠くに離れてしまったと言うことである。
しかし、”レグバ”はそのまま残されたので
どの家や礼拝所にも置かれ、人の行いを神に報告するようになったのである。

*息子*
ここで神は精霊”レグバ”を息子と呼んでいる。
全ての者が子供であるとも解釈できるし、
”レグバ”のその性格からは、
”マウ”の息子としての”リサ”との混同も考えられる。
最も、一般的に同一視されているのは、ヨルバ族の精霊”エシュ”である。

<<祭儀の起源”ファ”>>
冒頭にも紹介したが、アボメイ”フォン族”
”ヨルバ族”から占いの方式を借りたと著者パリンダーは書いている。
しかし、祭儀の起源については、独自の説話があると紹介している。

”ファ”とは、創造が終了し間もない頃の地上に、
*天から遣わされた二人の男*により告げられたという。
その頃の地上には、まだ人の数も少なく、
崇拝される神々も、薬もなかったという。

天から神に遣わされた使者である二人の男は人々を呼び集め、
全ての者は自分自身の”ファ”を持たなければならないと告げた。
彼らが言うところによると、”ファ”とは、
神が個々の人間ごとに創り、書き記したモノであり、
人々は何を守護神として崇拝すべきか、神の意志をどのように実現すべきか
”ファ”により発見することができるというのである。

天からの二人の使者は、一人の男を選び、
どのように神託を取り運ぶのかを伝えたという。
彼らは、”ファ”の意向を明らかにする為に
巧みに操ることのできる特殊な椰子(やし)の実を天から持ってきたという。
その実をどのように片手から片手へ投げ、
投げられたまま残っている実の数によって
盤上の図形を読み、運命を知る方法を教え、
また、集めた砂によって出来る図形を
瓢箪(ひょうたん)の上に刻み、小さな布の袋に入れて、
そうすることにより、星占いの秘儀を守っていく方法を教えたという事である。
それ以来、事の大小にかかわらず、
占いはこの図形を元に行使されるようになったというのである。

*天から遣わされた二人の男*
この者達を、前出の精霊”レグバ”であるとする説話がある。
その説話の中で”ファ”神託の神/精霊の名となっている。
”ファ”は占いの実となる、十六の目を持っており、
天上の椰子(やし)の木に住んでいる。
天上の椰子(やし)の木の上からは、
世界の全てが見渡す事が出来るので、
”ファ”は全ての動きを見通せたという。

毎朝”レグバ”はその椰子(やし)の木に登り
”ファ”の目を開けるのだという。
言葉少なく意志を伝えることを欲しない”ファ”
二つの目を開けさせたいなら、椰子(やし)の実をひとつ。
一つの目で良いならば、椰子(やし)の実を二つ。
精霊”レグバ”に握らせれば良いというのである。
それゆえに、占い師が放る一つの椰子(やし)の実は
占い盤に記録される二点の印となり、
二つの椰子(やし)の実は一点の印となるのだという。

また神は、精霊”ファ””未来の扉の鍵(かぎ)”を与えたという。
”未来は十六の扉を持つ家”なのだそうだ。
人々は椰子(やし)の実を正しく使えば、
”ファ”の目を開けて、正しい未来の扉を開くことができる。
よって、神は、”ファ”と協力する”レグバ”を地上に派遣し、
人々に”ファ”の占いの方法を教えたという事である。
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テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2008-01-13 21:09:19

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と言うと格好良いですが、実際は、
”空想にはお金がかからない”
という事で。。。
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