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大樹の下で

神話・古史・古伝・民間伝承に関わる、自由な空想を不定期に更新しています。

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隻腕の神テュール/ヌアザ ~ ゲルマンとケルト2

さて、久しぶりの更新になります(苦笑)。
交流途絶えて久しいと言うのにコメントを入れて下さった
WildChildさんにまずは感謝を!(笑)

以前に記事とした
”オーディンとバロル ロキとルーフ ~ ゲルマンとケルト”
に対してのコメントなのですが、
久しぶりに妄想心に火が付いてしまい、
急遽、記事アップとなりました!(笑)

まずは、コメント元となった記事
”オーディンとバロル ロキとルーフ ~ ゲルマンとケルト”
に対して補足をさせていただきましょう。

この記事は”実に中途半端なものである”と言うことを
私自身気づきながらアップしたものでした。
北欧神話ケルト神話(ここで言うケルト神話は島のケルト)
この二つにそれぞれ登場する重要な神々に見られる妙な共通点。
それに気づいてろくに検証もせずにアップしたのが実情です。

ですが、北欧神話の主神”オーディン”と
ケルト神話の神々の宿敵フォモール族の王”バロル”が
いずれも隻眼(一つ目)である点、
加えて、北欧神話のトリックスター”ロキ”と
ケルト神話の光の神”ルーフルー)”が
いずれも敵対部族との混血神であることから
北欧神話とケルト神話はそれぞれの立場から見た
同様の歴史的事実(戦いの歴史)を表しているのではないのか?
という私自身への問いかけだったのです。

しかし、そこから先に思考が上手くつながらなかった・・・。
何か思考を発展させるピースが足りないという感じだったのです。
そこに、随分と時間がたってから今回のコメントが入り
思考の発展に光明が見えた気がしました。

それが、隻腕(片腕)の神テュール”と”ヌアザ”です。
テュール”は、北欧神話における軍神にして調停の神
ヌアザ”はケルト神話における神々の王
彼らはいずれも片腕を失う神なのです。
 
それぞれの神が片腕を失うにいたった経緯は以下の通り。

テュール”・・・・・・
アース神族の脅威となってきた怪物フェンリル(フェンリス狼)
拘束するために1度ならず2度までも失敗したオーディン率いるアース神族
3度目の正直とばかりにグレイプニルと呼称される強靱な魔法の鎖(紐)に
フェンリルを繋ぎ止めようと言葉巧みに近づきます。
しかし、アース神族を警戒しているフェンリルはおとなしくつながれようとはしませんでした。
フェンリルはこう持ちかけます。
お前達に私を騙す気がないという証明として、我が口の中に誰でも良いから腕を差し入れろ」と
騙す気満々のオーディンをはじめとしたアース神族の神々は
誰もその要求を飲もうとはしません。
それを見たフェンリルは嘲笑の笑いを浮かべました。
このままではらちがあかないと判断したテュールが尻込みする神々の中から進み出て
勇敢にもフェンリルの口の中に腕を差し入れるのです。
ですが、グレイプニルに縛り付けられた瞬間に
騙されたと直感したフェンリルによって彼の腕は食いちぎられることになるのです。

ヌアザ”・・・・・・
トゥアハ・デ・ダナーン(ダヌ女神の一族)の神々は
エリン(アイルランドの古名)の覇権を奪取するべく
当時フォモール族でさえも従えたフィル・ボルグ族との決戦に挑みます。
ヌアザを王としたトゥアハ・デ・ダナーン(ダヌ女神の一族)の神々は
激闘の末にモイトゥラ(マー・トゥーレス)の初戦にて勝利を掴みます。
しかし、あまりにも激烈な戦闘の中、
神々の王ヌアザは片腕を失う不運に見舞われる。
五体満足でないものに王の資格なしとされる彼らの思想に従い
ヌアザは王位を退き、有力な神ブレスに譲ることとなるのである。

さて、一見全く違った経緯で腕を失う二人の神なのであるが
これを、北欧(ゲルマン)とケルトの覇権争いの図式に当てはめて考えるとどうなるか・・・

もしも、テュールヌアザであるならば
オーディンバロルと矛盾するように思える。
なぜならば、オーディンバロルと言うことは
アース神族フォモール族でなければならず
アース神族に属するテュールトゥアハ・デ・ダナーンであるヌアザとはなり得ない。

ところがもう一ひねりトンチを効かせてみる。

テュールという神を少し調べて見るとわかるのだが
本来オーディンよりも上位の天空神であった形跡がある。
北欧神話ではアース神族に列せられているのだが、果たして本当にそうなのか?

ヌアザの経緯から見てみると
この時ヌアザが戦った相手はフォモール族ではなく、
彼らを従属させたフィル・ボルグ族である。
と言うことは、オーディン(バロル)フィル・ボルグ族に支配されていたわけである。
ヌアザトゥアハ・デ・ダナーンフィル・ボルグ族に勝利することにより
オーディン(バロル)フォモール族はその支配から解放されるのだ。

このフィル・ボルグ族がもしもフェンリルだとしたら・・・・・
オーディン(バロル)アース神族(フォモール族)
脅威であるフェンリル(フィル・ボルグ)を何とかしたい。
そこに計略を巡らし、敵を同じくするトゥアハ・デ・ダナーン達をたきつけて
戦わせる事に成功したのではないのか?
即ち、フェンリルを縛るという計略の際に
テュール(ヌアザ)が腕を差し入れるとは、
フェンリル(フィル・ボルグ)トゥアハ・デ・ダナーン
戦端を開く事を象徴した物語ではないだろうか・・・。

この事にさらに追い打ちをかける事柄がある。
王権を失ったヌアザが譲位するブレスという神は
実はフォモールの血をひく神で
ブレストゥアハ・デ・ダナーンを率いるようになってから
共存の道をフォモールと歩む証とする意味があったにも関わらず
新王ブレスフォモールよりの治世を断行し
やがて、トゥアハ・デ・ダナーンは事実上フォモールに従属する事になっていくのである。

となると・・・・

テュール即ちヌアザアース神族として登場することに一石を投じる事になりはしないか?

私の中で足りなかったピースのいくつかがはまったという感じがしている。

今、おおまかに北欧・ケルト両神話時代の勢力範囲図がおぼろげながら見えてきました。

自身のまとめをかねて整理してみると
当時、北海の覇権を掌握していたゲルマン勢力が存在したのではないでしょうか?
おそらく、スカンジナビア半島を拠点とするオーディンひきいるアース神族
島のケルト側からはフォモール族と呼ばれていたのではないかと思うのです。
他の記事で書きましたが
アース神族が戦った事もあるヴァン(ヴァナ)神族
大陸のケルトであると考えれば、
エリン(アイルランド)にてその覇権を脅かす存在となったフィル・ボルグ族即ち
フェンリルの台頭に楔を打つ為に
大陸のケルトヴァン(ヴァナ)神族の同族である
ヌアザ(テュール)達島のケルトの来訪は渡りに船だったはずです。
エリンの地の覇権を渡す事を条件に
大陸のケルトを仲介して島のケルトに協力を仰ぎ
まんまとフィル・ボルグ(フェンリル)を押さえ込む事に成功したのが
隻腕の神が生まれるこの二つの物語の歴史的背景ではなかったのでしょうか。

とここまで書いてきましたが
以前最大の矛盾は解消されません。
それは、神々の滅びに関してなのですが
今日の所はここでとりあえず筆を置くこととしましょう(苦笑)。

まだ、個別に検証すべき北欧・ケルト両神話の神々は沢山いますので
ひとつひとつ比定していくと
意外と最後には矛盾がなくなっていたりすると・・・・・・
いいんだけどなぁ(笑)。
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テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2008-08-14 22:10:56

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コメント

げそさん、いらっしゃいませ!

げそさん、いらっしゃいませ!
少しお返事が遅くなり申し訳ありませんでした。

このシリーズは一度行き詰まっていたものが
今回の記事から妄想爆発状態に陥り
それを考えている間に時間がまた、かかってしまいました(苦笑)

ゾロアスター教やインド神話もサイト内記事で
取り扱う予定ではありますが
何しろ空想をまとめるのもテーマを絞らないといけないので
中々決まったテーマが出てこないと
記事にならないという罠に捕まっています。

気まぐれ更新になりますが
またお越しいただければ幸いです。

はじめまして

おおっ!北欧神話とケルト神話に関連性があったとは…目から鱗ですw
ゾロアスター教のアウラマズダとアンリマンユ、インド神話のアスラとアートマンの対比を思い出しました。

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と言うと格好良いですが、実際は、
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