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大樹の下で

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ヘイムダルとブレス ~ ゲルマンとケルト4

ゲルマンとケルトのシリーズ4回目は
ヘイムダルとブレス”を採り上げます。

まずは、北欧神話におけるヘイムダル神
ケルト神話におけるブレス神の簡単な紹介から

《ヘイムダル(Heimdall/ヘイムダッル)》

異称:白き神、9人の母の息子
オーディンアサ神族の1柱で神々の国アスガルド(アースガルド)と外の国をつなぐ
3本の虹の橋ビフレストの側(あるいはたもと)のヒミンビョルグに住み、
巨人族からの襲撃など外界からの脅威に耳目を傾け警戒していると言われます。
神々の終わり・世界の終末であるラグナロクの到来を告げる
ギャラルホルンの角笛を吹き鳴らす役目も負っています。

《ブレス(Bres)》
名前の意味は美しきもの
トゥアハ・デ・ダナーン(ダヌ女神の一族)の王
マートゥーレスの戦いにより片腕を失った一族の王ヌアザにかわり
エリン(アイルランドの古名)の初代の王となります。
父はフォモール族の王エラサ、母はトゥアハ・デ・ダナーンエリと云われ
巨人族と神族のハーフにあたります。
王になった後、父方のフォモール族に有利な政治を行い
また、トゥアハ・デ・ダナーンの慣習に背く行いが甚だ多く
7年の在位を持って王位を追われることとなります。

さて、上記の簡単な紹介を見る限り
これまで対比してきたオーディン=バロル(共に隻眼)
テュール=ヌアザ(共に隻腕)のような決定的な共通点はありません。
2神ともに容姿が美しいという事は云われますが
それだけで、ヘイムダル=ブレスの根拠とするには無理がありすぎですね(苦笑)。
ですが、古代北欧ゲルマン王国 ~ ゲルマンとケルト3の記事にて提示した前提や
隻腕の神テュール/ヌアザ ~ ゲルマンとケルト2のような解釈を踏まえると
この2神の共通点が見えてくるのです。

では、空想・妄想の領域へと参りましょう(笑)。
空想と妄想の領域に入る為には
まず、ヘイムダルの側を中心に考察していく事となります。

このヘイムダルという神ですが
自身が主人公となる逸話は数少ないにもかかわらず
多くの逸話にその名が登場します。
そして、その場面は大抵神々の協議の場になるのです。
この時、彼の取る行動・進言する意見は一環しています。
他の神々の安易な意見直情的意見に対し
必ず釘を刺すような慎重にして猜疑的な意見を持って行動します。

神々の議題のほとんどは、巨人族とのトラブルに端を発します。
巨人族を警戒・監視する役目を担っていると云われるヘイムダルですから
上記のような言動は当然といえるかもしれません。
そして、彼が実際に王国やそれに近い共和国などと言った
大きな組織の中にいるとするならば
彼の役職が地方監督官・警察機構・諜報機関の長であると考えられます。
つまり、治安維持権を与えられている立場という事です。

多くの部族・血族単位での組織が中心であったであろう古代において
支配権を拡大し、それを維持安定させるためにかかせないのが
同化政策だと思われます。
では、具体的に同化政策の手段としてもっとも効果的な方法はなんでしょう?
それは、過去の歴史において多くの権力者が利用した
婚姻政策に他ならないと考えます。
つまり、他の部族の有力者との血縁関係を政治的に執り行い同盟を結ぶとともに、
その結果生まれた次代の王や貴族の子息・子女を自勢力の慣習や政治的方針に従い
教育を施していくという事です。

そして、ヘイムダルとは、こういった政治的政略結婚をした有力者達の子供達を
統括する同化政策機関の長ではなかっただろうか?と考えたわけです。

彼の母が9人いると云われている事を考えると
9つの支配地域の同盟者達の監視と監督を担うという風にも捉える事ができます。
この9人の母とは
海神であり巨人族の王、フィンランドの王とも云われるエーギルの娘達です。
と言うことは、彼(ヘイムダル)自身も巨人族との同盟の為に生まれた
ということではないでしょうか。

他に、彼と繋がりのある虹の橋ビフロスト
その正体が実は浮き橋あるいは桟橋ではないかと考えると
3本あるというビフロストが、実は各地域に向けて開かれたという解釈が可能で
スカンジナヴィア半島の古くからの主要港
西のベルゲン・南のオスロ・東のストックホルム
このあたりがビフロストではなかったかと考えます。
その側に住居を構えていたと考えるとヘイムダルとは
複数いた可能性も出てきます。

つまりヘイムダル機関という治安維持組織の構成員全てがヘイムダルであり
その組織の長官をさしているとともに、
役職にあたる人材をも意味していたかもしれないわけです。

とここまでヘイムダルを解釈すると
ケルト神話におけるエリン(アイルランド)
初代のダーナ神族(トゥアハ・デ・ダナーン)の王ブレス
前出したヘイムダル機関の一員であり
北欧神話におけるアサ神族つまりケルト神話におけるフォモール族
ダーナ神族の間で政略結婚により誕生した同盟の証となる者だった可能性が出てくるのです。

実際ブレス王がマートゥーレスの戦いにおいて成果を上げて
王と選出されて以後、彼らダーナの慣習よりもフォモールの慣習を重視したことが
彼の王位を剥奪される理由として挙げられるのも
同化政策に伴う治安維持の為と解釈すれば合点がいくような気がします。

さらに、ヘイムダルの数少ない逸話の中に
階級の制定の話があることも、これを裏付けています。
彼により、貴族(戦士・司祭)階級農民階級奴隷階級が定められたとされるもので
この時、ヘイムダルリーグと名乗っています。
これも、リーグというヘイムダル機関の一員がいたと解釈する事ができるのではないでしょうか。

上記の階級制度に関連してブレス王ダーナの神々労役を課したという話を考えてみると
この労役とは農地の開拓ではなかったのか?と思うのです。
ダーナの神々ケルト系の部族
当時、工芸技術鋳造技術には長けていたようですが
農業を知らなかった、あるいは、
あまり農業を重視していなかった形跡があります。
その彼らに、農業をもたらしたのはブレス王であるという話があり、
これは、階級の制定に重なる事象ではないかと考えられます。

最後にヘイムダルラグナロク(神々の黄昏/世界の終末)において
ロキと相打つ事になることは、一部で疑問を発生させています。
ロキ闇の神(実際には火の神が一般的)として捉えられている部分があり
これは、ラグナロクの引き金を引く数々の行いからくるもので
これに対し、光の神の代表はバルドルであることから
ラグナロクにおいてロキが相対する対象は前出のバルドルであるべきであるのに
ヘイムダルが相手となるのは少しおかしいと考える向きがあるのです。

しかし、ヘイムダル巨人族との混血であること
それも、政治的な意図による歓迎された混血であることにたいし
ロキは同じ混血でありながら、ヘイムダル機関に属すこともなく行動しているところを見ると
ここに、ロキというトリックスターの謎の一端が垣間見えてきます。

ということで、次回はロキの謎に迫りたいと考えます。
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テーマ:神話 - ジャンル:学問・文化・芸術

2008-10-04 16:28:10

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コメント

トールとダグザ

お返事遅くなりました

トールとダグザはおそらく関係はないものと考えています。
ロキ編の後に、オーディンやトールも取り上げることになると思いますが
トールは農民集団の代表
オーディンは代々の王の称号
というふうに今は考えています。

ダグザは鍛冶の神なので
北欧神話にでてくるとすれば
おそらく黒アールブではないでしょうか
候補としては
神々の武器を作った黒妖精の兄弟あたりかと
(笑)

意外なコントラストですね

ブレスって農業を齎したのですか?
何か邪悪なイメージが強かったですが。
まあ、云われてみればヘイムダルもブレスも神と巨人との混血ですね。

災いと恩恵とを齎すトリックスター、ロキの謎も楽しみです。

ところで、同じマッチョで力持ちのトールとダグザはどうなんでしょうね。v-362

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